289:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 02:54:51.78 ID:K6nTd4fDo
博打を打てと垣根は言う。
学園都市そのものに反旗を翻そうなど妄言にも甚だしいと垣根自身が一番よく分かっている。
だが、だからといって負ける気などないのだ。
どんな手を使ってでも勝ちを掴む。最初からそう決めていた。
290:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 03:29:53.07 ID:K6nTd4fDo
二人はその体勢のまましばらく無言で顔を突きつけ合っていた。
辺りはまったくの静寂。防音処理でもしているのだろうか、他の音は何一つ聞こえない。
そもそも地下にあるこの部屋は外部の喧騒など入ってくるはずもないのだが。
そしてぽつりと零すように麦野が口を開いた。
291:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 03:40:22.72 ID:K6nTd4fDo
「ああ、そうかもな。もしかしたら一目惚れってヤツなのかも知れねぇ」
垣根の言葉は肯定しているようで、しかし明確に断定していない。
「惚れた弱み、ってか。確かにソイツは傑作だ。シンプルで実に分かりやすい」
292:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 03:43:41.52 ID:K6nTd4fDo
ふう、ようやく一段落。まだ調子が戻ってないような気も
自分でもよく分かってませんがほとんどノリと雰囲気と勢いだけで
やっぱり悲劇に悲恋はつきものだよね、って事で一つ
293:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/05(土) 04:00:27.11 ID:7q2meL1IO
なんだか久しぶりにシリアスな麦垣wktk
乙!
294:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/05(土) 12:35:04.63 ID:wGBv6LQ/o
うわぁぁぁぁかっけえええええ!!
295:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 22:22:03.07 ID:K6nTd4fDo
「あー……」
口に咥えたタバコから紫煙を燻らせる。
壁に背を預け座り込んだままゆっくりと立ち昇るそれを目で追い、上を見上げた
296:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 22:38:55.38 ID:K6nTd4fDo
足音に視線を戻せば、絹旗がこちらに駆けてくるところだった。
その後ろには滝壺。まだ若干足元がおぼつかない様子だが大丈夫そうだ。
「おう」
297:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 23:48:36.03 ID:K6nTd4fDo
「ん……けほっ」
「あ、悪りぃ」
煙に咳き込む絹旗に「そうだよなーコイツらタバコの煙なんて慣れてねえだろうしなー」などと思いながら足元に落とす。
298:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/06(日) 00:58:28.65 ID:Fi4JAAUwo
「……ん?」
ふと、浜面は引っかかりを覚えた。
本当に小さな、些細な違和感。気付いた事の方が驚きのようなそんな誤差程度のものだ。
299:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/06(日) 01:13:38.68 ID:Fi4JAAUwo
「この臭いだよ」
言ってから失敗したと思った。口に出してしまえば嫌でも意識してしまう。
既に拡散して臭いは薄れてしまっているが、それは辺りに薄っすらと充満しているという事だ。
目に見えないあの蛋白質の焼ける臭いが立ち込めているのを想像してしまう。
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