過去ログ - 面接官「えーと、次の方…ちっ、なんだ無能力者か」 佐天「…」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/12(土) 00:13:06.17 ID:ObxX0uXd0
まず、書類選考で落とされるようになり、面接すら受けさせてもらえないことがほとんどだった。
中には、学園都市の大学に入学し、能力開発を受ける人たちも居たが…
私はもう一度行きたい、とは親には言えなかった。
そんな中、この会社は面接を行ってくれる、貴重な会社だ。逃す手はない。
気合を入れ、私は待合室に行く。周りには他に数人、同じく面接を受ける人たちがいる。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/12(土) 00:15:16.58 ID:ObxX0uXd0
私の頬を涙が伝う。悔しかった。
どうして無能力者というだけで、こんな目に遭わなければならないのか。
私の頭の中を、同じ疑問がグルグルと回りだした。
けれど、答えは既に決まっていた。誰だって、能力が無いよりあったほうがいい。
子供でもわかる、単純明快な答えだ。けど…。
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/12(土) 00:17:10.07 ID:ObxX0uXd0
目の前が真っ暗になる感覚。そして湧き上がる怒り。
しかし自分では驚くほど冷静だった。
…冷静に、筆記用具に入っているカッターを取り出す。
二人のうち、一人は先に出て行った。私は静かに個室の扉を開けた。
振り向いた彼女の口を塞ぎ、カッターを首にあて、脅す。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/12(土) 00:20:49.39 ID:ObxX0uXd0
「うーいーはーるー!」

威勢のいい声を上げながら、同じように威勢よく両手を振り上げた。
巻き起こる風が初春のスカートを豪快に巻き上げ、縞模様のパンツがあらわになる。
私の声に反応したのか、周囲の人間の視線が男女を問わず初春の下半身へと集まった。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/12(土) 00:23:03.58 ID:QG8LHIgQo
ほう、こっちへ来たのか



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/12(土) 00:23:37.47 ID:ObxX0uXd0
レベル0の私とレベル1の初春。
無能力者と低能力者という小さな差は私達の間にはないも同然だった。
御坂さんや白井さんと仲良く振舞っていても、私の胸中にはいつだってくすぶりがあった。
私とこの人達は違う種類の人間なんだ。
どれほど彼女たちが優しく、平等に接してくれてもこの思いを忘れることはできなかった。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/12(土) 00:30:43.08 ID:ObxX0uXd0
それからの私と初春は全く別の道を歩み始めた。
今までと同じ教室で同じ授業を受ける私と、進学クラスに移り特別なカリキュラムを組まされた初春。
常盤台中学とは違い、私の学校においてレベル3というのは特異な存在だった。
レベル2の人間は、ほぼ例外なくそこで能力の発達がとまる。
だが、レベル3は違う。レベル3のままでいる学生がほとんどだが、数字をひとつ上げレベル4になる学生も大勢いる。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/12(土) 00:40:18.72 ID:ObxX0uXd0
「それで、今日はどうしたんですか?」

今まで一方的に話を進めていた初春が急に訪ねる。
適当に町をぶらついた私達は、当初からの予定であった映画鑑賞を前に早めの夕食を済ませるためファミレスにいた

以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/12(土) 00:46:34.47 ID:ObxX0uXd0
「それよりさ、何観るか決めようよ。」

「そ、そうですね!」

私がそう言うと初春は急いでカバンから雑誌を取り出して机の上に開いた。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/12(土) 00:52:18.58 ID:ObxX0uXd0
「そんなのよりこっちみようよこっち!」

違うページにグロテスクな映像で有名なホラー映画の名前を見つけた私は、それを初春に勧める。
別に私自身この映画を楽しそうだと思うわけではないけど、実話と銘打った下らない他人の恋愛話なんかを観るよりはマシに決まっている。

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/12(土) 00:58:58.62 ID:ObxX0uXd0
「うぅ・・・だから私はいやだったんですよぉ・・・」

「ほらもう大人なんだからいつまでも泣かないの。」

上映中、途切れることなく叫び続けていた初春がかすれた声で呟いた。
以下略



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