1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/16(水) 22:35:14.37 ID:yiTG7ZAso
序章 幻想殺しの見た幻想 Un-Breakable_Dream.
学園都市のとある駅の前に、子供が二人。
小学校四年生くらい……いや、その少し手前くらいだろうか。
忙しそうに動く周りの世界から隔絶されたように、二人の間には時が止まったような静けさが流れていた。
「もう、行っちまうんだな……」
黒い髪の子供が寂しそうに呟く。
「あァ……そォなンな」
もう一方の白い髪の子供はぶっきらぼうに応える。
ただ、その声にもまた、わずかばかりとは言え寂しさが見え隠れしている。
「ホント、寂しくなるな……もっと気の利いた事でも言えたらいいんだけど」
黒い髪の子供は、目を伏せてそう告げる。心なしかその目も潤んでいるように見えた。
それを見た白い髪の子供は小さく溜息をつく。
仕方がない、とでも言うように。黒い髪の上に、白い手を置く。
「男だったらそォ簡単に泣くンじゃねェよ……こンなしンみりした別れじゃなくてよォ。もっとガラの悪い感じでも構わねェンだぜ?」
「……そう言うなよ」
「カッ……俺とお前は悪友くらいの関係だろォが。似合いもしねェ気障な言葉なンか考えてンじゃねェよ」
そう言って、黒い髪を撫でる。
白すぎる顔に、笑顔が浮かぶ。
にっこり、というものではなく。ニヤリ、とでも表現するのか。
何かを企むような、深い意味が込められたようなものだった。
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/16(水) 22:36:09.03 ID:yiTG7ZAso
「ははっ……んなこと言って、お前も寂しいんじゃねぇかよ」
「あァ?」
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2011/02/16(水) 22:36:38.89 ID:yiTG7ZAso
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2011/02/16(水) 22:37:18.10 ID:yiTG7ZAso
目の前に見えるのは白い天井。
焦点の合わない目をぱちくりと瞬かせ、上条はゆっくりとその上半身を起こす。
いつの間にか蹴り飛ばしていた薄い掛布団は足元で団子になっており、その役割を果たしていない。
それもこれもこの暑さのせいだ、と一人で納得し、上条はベッドから這い出る。
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2011/02/16(水) 22:37:55.60 ID:yiTG7ZAso
「っと、いざ開いてみるとなんて書いていいのか分かんねぇな」
苦笑いを浮かべる。
昔馴染みに唐突に手紙を送るようなものだ。
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2011/02/16(水) 22:38:35.42 ID:yiTG7ZAso
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2011/02/16(水) 22:39:18.01 ID:yiTG7ZAso
心の中で盛り上がっていた感情が、一気に冷めていくのを感じる。
膨らました風船を液体窒素に突っ込んだような。
潤いかけた砂が一気に渇いていくような。
そんな感情。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/16(水) 22:42:31.53 ID:yiTG7ZAso
とりあえず、序章投下。
注意書きってわけじゃないけども。
上条、一方通行が幼馴染 → 転校で離れ離れに。
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