6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/02/16(水) 23:26:11.46 ID:9ITe364Y0
とはいえ、彼女には意外とふざけたところもある。それに気付いたのは例の軽音部での集まりのことだった。
屋上での出来事にさかのぼる初夏のこと。
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2011/02/16(水) 23:29:29.32 ID:9ITe364Y0
目的地に着くと、店先で他の子たちが待っていた。先に部屋を確保してくれていればいいのに。
メンバーの中には唯ちゃんの妹の憂ちゃんや、軽音部とは関係のない和ちゃんまでいた。
軽音部の集まりとはいうが、それは私を都合よく呼び出すまでの名目で本当はただの遊びだったのだろう。
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2011/02/16(水) 23:31:03.46 ID:9ITe364Y0
和「私はいいですよ聴いてるだけで。下手だから、恥ずかしいです。」
さわ子「だめよ、楽しまなきゃ。それにりっちゃんだって歌ったんだから。」
律「せんせー、それってどういう意味ですか?」
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2011/02/16(水) 23:32:41.91 ID:9ITe364Y0
屋上での会話からしばらく変わったことはなにも起きなかった。
ほんらい生徒との間に何か起きる方がおかしい。
それでもホームルームや授業の時間、彼女のふとしたしぐさが、折々心にふれた。
ひょっとして自分に目配せしたのでは、とか。
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2011/02/16(水) 23:33:32.55 ID:9ITe364Y0
女にそういう関心を抱くことに疑問を持たなかったのは、高校時代の経験があったからかもしれない。
バンドでギター兼ヴォーカルを務めていた私は、自分でいうのもおかしいが校内では目立つ方だった。
そのためかいくにんもの生徒が、すこし恋文じみたファンレターをくれた。
それは女子高でみのまわりに女の子しかいない女子高生の遊び半分の恋愛ごっこだったのだろう。
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2011/02/16(水) 23:34:25.57 ID:9ITe364Y0
唯「さわちゃん、最近いーことあった?」
かじりかけのラングドシャを振り回しながら唯ちゃんが訊いた。
さわ子「へ?急になによ。」
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2011/02/16(水) 23:36:32.27 ID:9ITe364Y0
夏休みの直前。軽音部の部室前の廊下。
さわ子「あら真鍋さん。どうしたの。」
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2011/02/16(水) 23:37:16.88 ID:9ITe364Y0
さわ子「そ、正解!」
思わず顔がにやけてくる。
『先生が禁煙したら考えます。』
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/02/16(水) 23:38:42.19 ID:9ITe364Y0
その翌日、今度は近くの階段の前で彼女を待ち伏せした。
来る保証はなかったが、彼女は来た。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/02/16(水) 23:39:33.48 ID:9ITe364Y0
薄暗くてよく分からないが、彼女の頬は今日こそ赤く染まっているのかもしれない。
ようやく私は確信した。
私たちは内緒の話をしているのだ。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/02/16(水) 23:41:34.35 ID:9ITe364Y0
今日はここまで
見切り発車です
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