過去ログ - 上条「ラストダンスは悲しみを乗せて」
1- 20
1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:46:07.56 ID:a+jCRixGo

・ifネタ

・地の文、超展開、オリ設定あり。

・本編の時系列、本編との整合性は考慮せず。





2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:46:33.77 ID:a+jCRixGo

 ◆C


 放課後の大通りは下校する生徒たちで溢れかえり混雑している。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:46:59.67 ID:a+jCRixGo

 仕方がない。道なりに歩きながら、どうして自分がこんなことをしているかを考えてみることにした。

 ちょうどいい暇つぶしではある。予定がないので、暇など潰さなくても良いはずなのだが。

以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:47:26.40 ID:a+jCRixGo

 その感覚に酩酊するために、自分は道を歩いているのかも知れない、と上条当麻は思った。

 没入感があまりにも心地良いから、つい、ここが現実だと言うことを忘れて、その感覚に浸ってしまいたくなる。

以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:47:51.91 ID:a+jCRixGo

 このあたりも、随分寂れてしまった。

 ちょっと前まではゲームセンターなんかの並ぶ通りで、学生たちに重宝されていたのに、見る影もない。

以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:48:20.51 ID:a+jCRixGo
 上条はその場でそれを見ていたが、やはり、何人か一般人が死んでいたのに、
 それを誰かが隠しているのではないかと訝りたくなった。

 それだけの惨状だったのだ。

以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:48:44.16 ID:a+jCRixGo

 ――過ぎてしまったことだ。

 無事に済んだのはいいことではあるのだし、と自分を納得させようとしても、少し難しいものがある。

以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:49:12.49 ID:a+jCRixGo

 たった数週間で、この通りは多くの学生たちに忘れられつつある。

 ゲームセンターは、もっと栄えていて、利便性に優れた場所に移った。移動はどこからも容易く、人の集まりも悪くない。

以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:49:38.42 ID:a+jCRixGo

 行くアテはなかった。だからこの周辺に歩いてきたのも偶然でしかない。あるいは、何かが自分の足を引き寄せたのか。

 そちらの可能性の方が高いかも知れない。今日で、この通りに来るのは何度目になるか分からなかった。

以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:50:04.97 ID:a+jCRixGo

 上条はビルに足を踏み入れて、中を軽く見回す。誰もいない。

 汚れたエントランスを通過して、壊れかけた階段を素通りし、薄汚れた突き当たりの廊下へ向かう。

以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:50:37.61 ID:a+jCRixGo

 仰向けに天井を見上げる。四隅には蜘蛛の巣。この分だと、自分が今身を置いているソファにも、虫が湧いているかも知れない。

 それは不快な想像だ。けれど、今更立ち上がる気力は失われてしまっている。

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:51:03.56 ID:a+jCRixGo

 考えるまでもなく、上条の頭には答えが用意されていた。けれど上条は、あえて考えるのをやめなかった。

 そこで答えを出してしまったら、きっと、自分は泣いてしまうだろうから。

以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:51:29.78 ID:a+jCRixGo

--------------------------------------◆-------------------------------------

 寮の自室に戻るとテーブルの上にラップの張られた食器が置かれていた。

以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:51:56.00 ID:a+jCRixGo

 舞夏の厚意に、いつまでも甘えるのはどうなのだろう。

 食事が摂れるのは助かるのだ。

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:52:24.75 ID:a+jCRixGo

 迷惑だとは思わない。申し訳ない気持ちもあった。

 少し冷めたチャーハンを口に含む。やはり美味しい、と思う。それでも上条は、その味を素直に感じることができない。

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:52:52.88 ID:a+jCRixGo

 上条は食器を流し台に置いて水に浸しておいた。食器は、舞夏が次にやってきたときにいつも持って帰ってくれる。

 最初の内は洗って返したりもしていたのだが、最近ではそれもしなくなった。

以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:53:16.18 ID:a+jCRixGo

 アンプもシールドもないから大した音は出ない。弦だって張り替えていないからもう錆びている。

 上条自身はろくに弾こうとしたことなんてないし、気紛れに適当に鳴らすだけだ。

以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:53:42.17 ID:a+jCRixGo
 答える代わりに、延々とコードを鳴らし続けた。

 上条が答えないつもりだと気付くと、舞夏は小さく溜息をついてから流し台に立って洗い物をはじめた。

 それを見て、少しだけ罪悪感が燻る。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:54:08.47 ID:a+jCRixGo

 もう放っておいてほしい。どうせ自分はもう、ろくな人間じゃない。

 もう「おまえなんか嫌いだ」と投げ出して欲しかった。いっそ、いなくなってくれればいいのに。

以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:54:35.58 ID:a+jCRixGo

 ベッドに寝転んでしばらく目を瞑っていると、いやな考えばかりが浮かぶ。

 ぐるぐると頭の中で回り出す。ダンスでも踊るみたいに、自分を刺すみたいに、ズキズキと走り出す。

以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:55:04.13 ID:a+jCRixGo

 ■A


 少なくとも、死んだのは顔も名前も分からない男だった。
以下略



310Res/305.48 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice