過去ログ - フリッジクロック
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78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/03/08(火) 00:17:44.32 ID:IsVcDC9H0
「…こんなに精巧な監視カメラをこの街の隅々に流せるもんなのか?」

「カメラだけではない。…が、君が知る必要もない。西東。」

「おっと、その名で俺を呼ぶな。俺はもう因果から追放された身だ。」
以下略



79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/03/08(火) 00:19:07.28 ID:IsVcDC9H0
「こっちとしても驚きなんだぜ、師匠――ヒューレット助教授。まさかこんなところでこんなバカやってるとはな。」

「バカとは失礼な。これは因果を超克するに必要な『プラン』の管理をしているんだ。」

「『プラン』ふん。それこそ、因果律に対する挑戦だな。侮辱だな。俺も明楽も…純哉でさえ指摘していたことだ。」
以下略



80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/03/08(火) 00:19:51.88 ID:IsVcDC9H0
「しかし――『プラン』なんてものはな、自分で書いた物語を自分で読んでるようなもんなんだよ。
 自分で設定した因果律を追って何が楽しい?
 物語には終わりがある。
 だから物語を加速させる。
 その過程を愛でる。
以下略



81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/03/08(火) 00:21:04.92 ID:IsVcDC9H0
 モニタの向こうでは赤ん坊が生まれた。
 お腹を痛めた母親の嬉しそうな顔。
 同じく興奮する父親の嬉しそうな顔。
 まだ学生といっても通用しそうな、若い夫婦。
 前途は幸せに満ちているようだった。
以下略



82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/03/08(火) 00:21:57.35 ID:IsVcDC9H0
「確かに私も、面白いものには価値を感じるし、興味もある。」

 狐面の男の背後から声がした。
 大して驚きもせずに振り返ると
 金髪の――人間の形をしたものが立っていた。
以下略



83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/03/08(火) 00:23:07.34 ID:IsVcDC9H0
「エイワス…。どういうつもりだ?」

 唸るような声で尋ねる容器の中の男。
 呪うようにつぶやく容器の中の男。
 声色からは――
以下略



84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/03/08(火) 00:24:17.61 ID:IsVcDC9H0
「そうか。良かったんじゃないか?自分の最初の研究に幕が下ろせて。」

 容器の中の男は苛立ちとともにそう答える。
 これは明確に読み取れた。
 狐面の男も
以下略



85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/03/08(火) 00:25:17.71 ID:IsVcDC9H0
「ふん。俺が面白かろうがつまらなかろうが、そんなことは同じことだ。なあ、ヒューレット。こいつは何だ?」

 自分のことを「君」呼ばわりする者には当面は会ったことがなく
 そして、とても人間とも思えなかったので
 かつての「師匠」にその存在を尋ねる。
以下略



86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/03/08(火) 00:26:21.86 ID:IsVcDC9H0
「『エイワス』…そろそろ自重していただきたい。」

「何故だ?私は今や、あなたの『プラン』よりもこの男の因果律の話のほうに価値と興味を感じている。」

 これはもはや挑発だな、と狐面の男は思った。
以下略



87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/03/08(火) 00:27:23.12 ID:IsVcDC9H0
 狐面の男は、その面を取った。
 相変わらずの鋭い眼光が容器の中の男を射抜く。
 今度は、容器の中の男は、明確に身震いした。
 大きな気泡が沸く。
 円筒形の容器のランプは赤く点滅を始める。
以下略



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