過去ログ - 澪「余命一ヶ月だってさ…」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/12(土) 09:00:42.90 ID:IW7IgJuDO


「具合はどう、澪ちゃん?」

私の隣に座りそんな事を聞く。病室に来てから五分で聞くことは毎日決まって同じ台詞だった。同じことばかり繰り返す母親は私を心配させまいとしているのだろうが、その顔はまるで『笑顔』が張り付いてしまった能面のように見えた。一人っ子の私を可愛がるのは何もおかしくはないが、今のお母さんはどこか不気味だ。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/12(土) 09:02:11.53 ID:IW7IgJuDO

そして、夜が訪れる。
私の命を削る暗い闇が。


以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/12(土) 09:03:53.95 ID:IW7IgJuDO


私は目が覚めるとすぐ、カレンダーの日付に赤いマーカーで×印をつけた。
昨日という一日が終わり、今日という一日が始まる儀式。
今日は二月二日だ。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/12(土) 09:05:31.83 ID:IW7IgJuDO
「どうした?元気ないじゃんか」

そんな私に律は軽口を続ける。実際元気になれるわけがないことを律だってよく知っている筈なのに。

「…うん」
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/12(土) 09:07:30.47 ID:IW7IgJuDO

走り気味な律のドラム。私は軽音部での活動の事を思い出していた。放課後ティータイム。私にとってはもう過去のことだ。終わってしまった私の青春…。

「…みんなもさ、」

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/12(土) 09:09:19.94 ID:IW7IgJuDO
恨まないでくれよなーー…と。

「…ーー恨むよ」

律の手が止まる。
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/12(土) 09:11:30.04 ID:IW7IgJuDO
「…あ、」

私の馬鹿!律の気持ちも考えろ!

「…ごめん」
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/12(土) 09:13:14.28 ID:IW7IgJuDO
「澪」

去り際に律は、

「生きろよ」
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/12(土) 09:15:08.71 ID:IW7IgJuDO


私達は小さい時からずっと一緒で、これから先もずっと親友同士でいられるのだと、口に出すまでも、頭で考えるまでもなく、当然のことなのだと今までそう錯覚していたーー…。

「あ、りっちゃん」
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/12(土) 09:15:51.50 ID:IW7IgJuDO
終わりです。
ありがとうございました。


21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/12(土) 09:20:30.83 ID:0dYRfNjTo



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