過去ログ - 仮面ライダーW「さあ、インキュベーター! おまえの罪を数えろ!!」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:02:38.20 ID:Vpfm+ia40
『仮面ライダーW 魔法少女のM/探偵のララバイ』


2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/03/19(土) 21:05:31.27 ID:Q8k35Y4so





以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:05:35.47 ID:Vpfm+ia40
/01

 四方における見渡す限りの天蓋は、太陽を包み込むようにして、灰色の砂塵に覆い尽くされていた。

 都市の殆どは、流れ込んできた海水に埋没し、僅かに残った文明の名残である高層建築だけが数える程度に頭を覗かせている。
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:06:33.14 ID:Vpfm+ia40
 キュゥべえは、さも人事のように呟くと尻尾を左右に振り続けている。

 ほむらは、俯いた顔をもう一度上げ、奥歯を噛み締める。怒りも憎しみも通り越して、最後に残ったのは。

「戦わないのかい?」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:07:43.61 ID:Vpfm+ia40
 オレが久しぶりに照井竜と顔を会わせたのは、相棒と再会した次の週の初めだった。
 彼は公僕らしからぬ赤を基調としたライダースファッションに身を包み、
ティーカップに口をつけながら、長い脚を持て余すようにして突き出していた。

「左、仕事の依頼だ。受けてくれるな」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:08:24.06 ID:Vpfm+ia40
 オレは亜樹子と顔を見合わせると、幾分かの妥協と、世界の平和と、懐具合という俗物めいた悲しみを深く鑑みて、
極めて高度な政治的判断を下した。

「で、当然貰えるものは貰えるんだろうな」

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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:09:28.12 ID:Vpfm+ia40
 ちなみにジンさんとは、オレが懇意にしている風都署の刃野幹夫刑事である。騙され上手だが、根気強い昔気質のデカだ。

「表向きはな」

「表向き?」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:10:33.44 ID:Vpfm+ia40
「うーん、なになに。見せて、見せて」

 身を乗り出してくる亜樹子といっしょになって、その写真を見つめると、
明らかに人が立ってはいいと思えない場所に映っている少女の姿が確認できた。

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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:11:18.23 ID:Vpfm+ia40
「手がかりがまったく無いわけではない。この風都の隣に位置する見滝原市でも、同様の事件が起きている。
もっとも、向こうの飛び降り自殺は単独なので、ほとんどマスコミですら報道はしていない」

「照井よ、おまえのことだから、もう何かしら掴んでるんだろう」

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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:12:00.29 ID:Vpfm+ia40
 つい先程まで寝込んでいたのだろう、髪はボサボサで、目の下には薄っすらと隈が浮いており、口元は大きなマスクで覆われている。

 けれども、見開かれた瞳は、獲物を見つけた猫科の猛獣の如く、貪婪にぎらぎらと輝きを放っていた。

「痣、聖痕。スティグマータ。古代より、人体に浮き上がったこれらに人類は意図的、
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:13:37.42 ID:Vpfm+ia40
 目を細め、注意深くそれを眺めると、凝固した死体には不可思議なほど、その痣はぬらぬらと赤くぬめっているのが見て取れた。

「夜間、しかも光の当たりにくい場所でここまで鮮明に映るとは。
照井竜。この写真は発見されてまもなくのものなのかい?」

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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:14:36.79 ID:Vpfm+ia40
仮面ライダーダブル。

それは二人で一人の探偵。

ハードボイルドに憧れる心優しき半人前、左翔太郎と、
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:17:41.53 ID:Vpfm+ia40
 むずがるフィリップを無理やり寝かしつけると、看病を亜樹子に頼んで、オレはハードボイルダーを一路見滝原市へと走らせた。

 無闇に聞き込みを行っても大して情報収集が捗るとも思えない。

 特に、オレにとって見滝原は土地勘の無い街だ。風都と比べると、遥かにこの街の方が洗練されている。
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:19:53.76 ID:Vpfm+ia40
 クイーンやエリザベスより明らかに幼い顔立ちの二人連れ、特に気の弱そうな少女が写真を拾いおずおずとこちらに差し出している。

「あれ、これマミさんじゃ」

「あ」
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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:20:53.64 ID:Vpfm+ia40
 オレの鋼のハートは、再び強く傷ついた。

「さやかちゃん、だめだよ」

 気の弱そうな少女が、オレの心を代弁するかのようにたしなめてくれた。少しだけ、感情の針が安定方向に向かって復元する。
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:22:01.66 ID:Vpfm+ia40
「あり?」

 無様に地べたへ転がったのは、誰かに脚を掛けられたのだと、痛みと同時に気づいた。

 痛みの余り目に浮かんだ涙をごまかしながら立ち上がる。
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:22:51.90 ID:Vpfm+ia40
 少女の誘導に従って歩くと、次第に人気の離れた小道へと分け入っていく。

 茜色の夕日が落ちきる直前に、ようやく人気の無い寂れた工場の裏手にたどり着いた。

「随分寂しいところを知ってるんだな。ま、ここなら邪魔は入りそうにないな。
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18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:23:28.19 ID:Vpfm+ia40
「なにがおかしいの」

「――は」

 ひきつった笑いがそのまま、凍りつく。
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19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:24:21.81 ID:Vpfm+ia40
 無慈悲に撃鉄を引き起こす硬質な音が耳朶を打った。

 やばい、この子の方がオレよりハードボイルドなんじゃ。

「この街を出て、二度と鹿目まどかに近づかないというのであれば、命だけは助けてあげる」
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:25:21.47 ID:Vpfm+ia40
「暁美 ほむらだな」

 一団の中から、一人の男が進み出ると、少女に呼びかけた。
 返事は期待していなかったのだろう、リーダー格の男は首をしゃくると、
ほむらと呼ばれた少女を組み伏せていた男が、彼女の胸元へと腕を入れ何かをまさぐり出す。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)
2011/03/19(土) 21:26:11.12 ID:Vpfm+ia40
「――あ、あああっ」

 ほむらの理性が爆発したように弾けた。

 頭を左右に振るって、恥も外聞も無く起き上がろうとするが、彼女の両肩を屈強な大の男が二人がかりで押さえつけている。
以下略



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