1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:07:41.08 ID:XCwvBlUYo
21日が待てなくて気付いたら書いてた
同じようにいてもたってもいられない人の暇潰しにでもなれば幸いです
書き上げてあるので、一気に投下します
10話の続きの妄想です
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:08:21.75 ID:XCwvBlUYo
「…………みんな、いなくなっちゃった」
「マミさんも、さやかちゃんも、杏子ちゃんも」
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:08:49.15 ID:XCwvBlUYo
「鹿目まどか。あなたがそう望むのなら」
激しく窓を打つ雨音をBGMに
時折轟く稲光を背景にして
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:09:39.25 ID:XCwvBlUYo
「魔法少女になる前のわたしは、何の力も持たず、病弱で、鈍臭い」
「どこにでもいる女の子だった」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:10:09.69 ID:XCwvBlUYo
「でも」
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:10:41.24 ID:XCwvBlUYo
「あなたの亡骸を抱えながら、私はキュゥべえと契約して魔法少女になった」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:11:24.24 ID:XCwvBlUYo
独白を終えて、静かに閉じていた目をあける。
きっと泣いているだろうと予想して、そしてその正しさにうんざりする。
自分は一体何度、この少女を泣かせれば気が済むのだろうか。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:12:06.48 ID:XCwvBlUYo
「だから」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:12:53.77 ID:XCwvBlUYo
「……ほむらちゃん」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:13:52.59 ID:XCwvBlUYo
「ずるくて、嫌な子で、よくばり、で、ごめん」
「いや、嫌だよ。 っほむらちゃんたちのいない世界、で、なんて」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:14:22.35 ID:XCwvBlUYo
堰を切ったように泣き出してしまった彼女を、衝動的に抱き寄せる。
胸の中で繰り返される謝罪が、逆に心に深く刺さって、
それでも不思議と、平静を保っていた。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:15:13.36 ID:XCwvBlUYo
口から零れる言葉に、けれども自分の心は動いてくれない。
諦観の根はあまりに深く、私の心を貫いてしまっていた。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:15:59.85 ID:XCwvBlUYo
時計が教えてくれたでもない。
予兆を感じたわけでもない。
ただ経験が、タイムリミットを宣告した。
今も泣き続ける少女を胸から離して立ち上がる。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:16:33.62 ID:XCwvBlUYo
「かつてあなたも、同じ場面で同じことを言ったわ」
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:17:27.79 ID:XCwvBlUYo
ほむらちゃんを止めることはできなかった。
窓から飛び去った彼女は、もう遠くに影を見ることすらかなわない。
呆然と立ち尽くすこの身の無力が、ただただ恨めしい。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:18:08.75 ID:XCwvBlUYo
彼女は、私を契約させないためにずっと戦い続けてきた。
そんな彼女の願いを、私は台無しにしてしまえるのか。
答えは出ない。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:18:47.67 ID:XCwvBlUYo
ワルプルギスの夜は、やはりとても敵う相手ではなかった。
今までに一人きりで戦ったこともあったが、今回はそれにも増してひどかった。
まどかの部屋で泣き続けたせいか、ソウルジェムは既に鈍色に濁ってしまっていて、
赤子の手をひねるように、叩き潰されてしまった。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:19:30.08 ID:XCwvBlUYo
(幾重にも重ねたループの結末が、これなんてね)
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:20:24.74 ID:XCwvBlUYo
満身創痍の身に響いた声は、家にいるはずのありえない声。
こんな姿を見せてしまった自分の弱さを呪う。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:21:25.17 ID:XCwvBlUYo
「キュウべぇ!」
「私は魔法少女になる!私の願いは、」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/04/19(火) 00:22:23.59 ID:XCwvBlUYo
ソウルジェムが黒く染まっていく。
それは事前に聞いていたこと。だから、覚悟はできていた。
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