47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)[sage]
2011/06/11(土) 23:39:06.49 ID:goJOdKVm0
律「……まあそういう訳でさ。言い訳みたいになるけど、昨日のことは病気が原因なんだ。
……ごめんな?」
やっと律が話し終えたとき、律以外泣いていない人なんていなかった。
目を真っ赤にしてウサギみたいな唯が律の方へ走る。
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)[sage]
2011/06/11(土) 23:41:40.81 ID:goJOdKVm0
律「……怖かったんだよ、拒絶されるのが」
律はそれに対し、穏やかな声と表情で喋る。
優しく、それでいて寂しそうな笑顔だった。
49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)[sage]
2011/06/11(土) 23:44:46.64 ID:goJOdKVm0
律「みんな、そろそろ泣き止めよー。私はまだもう一個伝えることがあるんだから」
律は少しだけ震える声で、でもいつも通りの調子でしゃべる。
もう一個伝えることって……一体何だろう?
50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)[sage]
2011/06/11(土) 23:47:49.94 ID:goJOdKVm0
そん、な……。
それはつまり、私たちの思い出も、私たちのことも分からなくなると言うことだ。
絶望に暮れる私に、律が追い討ちを掛けるかのように言った。
51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)[sage]
2011/06/11(土) 23:50:02.22 ID:goJOdKVm0
澪「嘘、だよな……?」
やっと出た声は、まるで蚊が鳴くかのようにか細く弱々しい。
私は全身全霊を込めて声を絞り出す。
52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)[sage]
2011/06/11(土) 23:52:30.32 ID:goJOdKVm0
律のいない学校は、やはりどこか味気ない。
もう律が登校しなくなってから随分経っていた。
一人での登下校、寂しい。
53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)[sage]
2011/06/11(土) 23:54:29.70 ID:goJOdKVm0
私たちが来ると一気に病室は賑やかになる。律も嬉しそうだ。
個人病室だし、やはり日中の静けさは凄いんだろうなあ。
ベッドサイドの窓から気持ちの良い風が吹き込んだ。
夏だというのに、少し冷たくて爽やかな風だ。
54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)[sage]
2011/06/11(土) 23:56:46.07 ID:goJOdKVm0
澪「お前、自分の膝の上に新しいスティック載せて何言ってるんだ」
律「え?あ、本当だ」
律の病気は予告通りどんどん進行していった。
55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/06/11(土) 23:57:38.94 ID:XLpHh2ZDO
あああああ…
56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)[sage]
2011/06/11(土) 23:58:42.02 ID:goJOdKVm0
でもそのささやかな充実感も、終わるときというのはやって来る。
私たちは高校生活最後の文化祭を秋晴れの日に行った。
律はもう桜高の生徒ではないため出演は出来なかったが、一応私たちのライブは大成功で幕を閉じた。
57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(高知県)[sage]
2011/06/12(日) 00:00:46.60 ID:q45fnrXz0
しかし、幸せな日々とはそう長く続かないものだ。
文化祭を終えた辺りから、私たちの恐れていたことが始まってしまった。
最初は、梓だった。
梓が病室に入ってきた瞬間、律は首を傾けて言った。
84Res/48.70 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。