過去ログ - 杏子「あたしの恋はベリーハード」
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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:36:43.09 ID:pd9i2CU5o
授業が終わると、外階段掃除の当番に任ぜられ、ほむらは男女一名ずつの後ろについて校舎裏の暗がりに導かれてきた。
「ここの当番は天国ですわ」
ところが女生徒の方は清掃区域に着くやいなや、そう言って掃除用具を放り投げた。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:37:42.37 ID:pd9i2CU5o
「やっぱり志筑さんはよく分かってるなあ」
上条くんと呼ばれた男子生徒はそう言い、ニヤニヤしながらほむらの後ろに回りこんできた。
ほむらが嫌な雰囲気を感じ取ったと同時に、上条は無言で彼女を羽交い締めにし、その動きを封じた。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:39:07.24 ID:pd9i2CU5o
「あはは、この娘、既に泣いちゃっているよ。 志筑さん、やっぱり許してあげようよ」
上条は冗談でも言うように、笑い混じりにそう言った。
許してやろうなどとは露程も思っていない物言いだ。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:39:40.31 ID:pd9i2CU5o
「志筑さんは、本当に腹パンで他人をイジメるのが好きだよねえ…」
息が詰まって絶命の予感すら覚えているほむらの必死とは裏腹に、のんびりとした口調で上条が喋っている。
「何も知らない動物並の男の子達は、すぐにおっぱいとかお尻に眼をやりがちですが――」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:40:10.25 ID:pd9i2CU5o
「うぐう!!」
「お腹ですわっ!」
衝撃に狂ったほむらの体が、また呼吸を忘れた。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:40:43.56 ID:pd9i2CU5o
「いっ…痛い!」
ほむらの長い三つ編みの髪が引っ張られ、感じる痛みを何とか和らげようと、そのベクトルに従うようにほむらは顔を上げた。
「ほら、しっかり立ち上がってくださいまし」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:41:58.86 ID:pd9i2CU5o
「おえええええっ」
ほむらは嘔吐し、その吐瀉物の上に腹を抱えて倒れこんだ。
「まあ、とても汚いですわ!」
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:42:49.22 ID:pd9i2CU5o
さっきまでとは打って変わった二人のうろたえ芝居がほむらの耳に届いてきて、彼女は漸く命の危険が去ったのだと安堵した。
そして暗転した世界の中、声だけ聞こえたさやかという女生徒にほむらは深く感謝した。
「ふう、危なかったね。 さやかはああいう性格だから、こう言う事をしているとがみがみとうるさいんだ。」
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:43:31.87 ID:pd9i2CU5o
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24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:44:06.65 ID:pd9i2CU5o
「ほむらちゃん! 大丈夫!?」
あれから3発食らってダウンしていたほむらのもとに、切羽詰った声と共にまどかが駆けてきた。
そしてすぐに背中を撫でるまどかの掌を感じ取り、ほむらは今度こそ危機は去ったのだと感じた。
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage ]
2011/06/30(木) 20:44:59.49 ID:pd9i2CU5o
ほむらが動けるようになるまでまどかは背中をさすり続けてくれた。
そして吐瀉物で汚れたほむらの制服を自分のハンカチで拭いてくれ、地面にぶち撒かれたそれも綺麗に片付けてくれた。
ほむらはその様子をただ呆然と見ていることしか出来ず、自分は死んだほうがいいのかもしれない、そう思っていた。
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