過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
1- 20
878: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:07:55.91 ID:fiKeJx/Ho

 こちらの情報が漏れているなら、一方通行の電極の制限時間という弱点もバレていると考えるべきだ。
日常生活において48時間。戦闘行動においては30分。それが彼の活動可能時間。
腕時計をちらりと見る。今も彼が戦っているのなら、制限時間は既に半分以上削れているはずだ。

以下略



879: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:08:28.33 ID:fiKeJx/Ho

地下10階・23番大試験場。

 突如前触れもなく照明が落ち、空間を照らすのは炎だけとなった。
降下してきた人影が音もなく着地するのと、レーダーの反応を受けて美琴が振り返ったのは同時だった。
以下略



880: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:08:59.75 ID:fiKeJx/Ho

「……お姉様」

「あんたの思ってること、たぶんそう外れてないと思う」

以下略



881: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:10:10.96 ID:fiKeJx/Ho

 機械が生み出した生まれたての彼女たちは真っ白で、『軍用クローン』であると刷り込まれればその通りに動いてしまう。
しかし、きっかけさえあれば自分たち自身の人生を歩み出そうとすることができるのは、美琴の『妹』、そして彼女たちの『姉』らが証明している。

他者に決められた『生まれた意義』に縛られる必要はなく、ただ自身の選んだ生を送ればいい。
以下略



882: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:10:45.29 ID:fiKeJx/Ho

地下4階・通路。

 『油性兵装』の眼前には、階層の崩落によってできた大きな穴が口を広げていた。
一方通行と衝突した『複合手順加算式直射弾道砲』はその弾道を大きく反らされ、施設内を真下へ一直線に突き抜けた。その痕跡だ。
以下略



883: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:11:21.07 ID:fiKeJx/Ho

 超音速で駆け抜けた巨大な『破城槌』が残した破壊の痕跡は、その威力の高さをありありと見せつけていた。
大穴の断面はひしゃげた鉄骨がはみ出ていたりと言うことはなく奇妙に滑らかで、『油性兵装』は特に苦労することもなく能力を駆使してその穴を降りて行く。

この研究所は第7階層を境として『上層』と『下層』に区別され、上下でその構造を大きく変化させる。
以下略



884: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:12:07.62 ID:fiKeJx/Ho

「がぁッ!?」

 まず彼女が知覚したのは、背中から伝わる『痛い』という神経の悲鳴だった。
遅れて装甲の外部で何かが砕けた音を認識する。
以下略



885: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:13:28.66 ID:fiKeJx/Ho

「1つ教えろよ」

 交錯の中、一方通行が問う。

以下略



886: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:14:08.61 ID:fiKeJx/Ho

 『油性兵装』の周囲の床や壁がグズグズに溶け出していく。
それに連動して、空気中に黒い靄がかかり始める。
気化した可燃性オイルの充満。着火すれば容赦なく周囲の空間を焼き払うナパーム攻撃。

以下略



887: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:14:50.60 ID:fiKeJx/Ho

 強さを求めて戦って、後に残るのは自分か相手の骸だけ。他には何も残らない。
最終的には自分以外のすべての存在を叩き潰すか、あるいは夢半ばにして自分も死体の山の一部となるのか。末路はそのどちらかしかない。

特大の悲劇を引き起こした大馬鹿が、悲劇を引き起こしかねない馬鹿へと諭すように言う。
以下略



1002Res/744.69 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice