過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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◆nW2JZrx2Lo
[saga]
2012/03/10(土) 04:16:17.21 ID:fiKeJx/Ho
「……ぷっ、あはは。何それおっかしー」
少女は笑う。哂う。
「そもそもの話さ。あなたはどの面下げてオセッキョーしてんのかって話だよね。
私はあなたほど人を殺しちゃいない。多分暗部全体をひっくるめたって、あなた1人が生みだした犠牲者の数には及ばないと思うけど。
そうでしょ? 10000人殺しの大虐殺者さん?」
揶揄するように、悪意を込めて。それは差し出された手へ唾を吐き撥ね退けるかのような所業。
「五十歩百歩、って言葉は知ってるでしょ? この場合は10000歩逃げた人間が50歩も100歩も逃げてないような人間を笑っているようなものかな。
ねぇ、自分で言ってて恥ずかしくならない? 虚しくならない?
それとも『1人殺せば人殺しだが、100人殺せば英雄となる』ってやつ?
この場合、10000人を殺したあなたは何になるのかねー?」
「……俺は確かに『妹達』10031人を殺したとンでもねェ屑だ。それは消し去れねェ事実だ。
それ自体は何をしたって許されるもンじゃねェと思ってるし、何をしたって償い切れるとも思ってねェ。
だがなァ、だからこそ言ってンだ。俺みてェな大馬鹿を生み出さねェよォに。アイツらみたいな被害者を出さねェよォに」
「……それってさ、結局『自分は悲劇を引き起こしてしまった人間なんです……』って酔っているようにしか聞こえないんだよね。
あなたと私の抱える事情は違う。私は私のやりたいようにやってここにいる。
それを偉っそーうにあーだこーだと言われる謂れはないんだっつーの」
ぶちぶちと未練を断ち切る刃のように放たれる言葉は、しかし一方通行にはある悲哀の響きを含んで聞こえた。
否定して欲しい。
助けて欲しい。
止まる方法を知らない自分を、誰かに止めて欲しい。
「……そォかよ」
かつての自分と似ている、と一方通行は思った。
最強の超能力者であったが故に誰にも止められず、かつて『最弱(さいきょう)』の男に殴り飛ばされるまで災厄を撒き散らしていたころの自分に。
ならば、力ずくでも止めてやる。決定的な間違いを犯していない今の彼女ならばまだ間に合う。
「……だったら、無理やりにでもオマエを闇の底から引きずり出してやる」
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