13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/06(水) 23:24:31.98 ID:s2y2te8to
金属を叩く音がした。
少しして歓声が上がる。
一方のチームのバッターがホームランを決めたようだ。
「和ちゃん」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/06(水) 23:26:05.32 ID:s2y2te8to
後ろの道路を自転車が鈴を鳴らしながら通り抜ける。
その音に驚いたのか、先程から頭の上で休み続けていたチョウが飛び立っていってしまった。
群青の空に溶け込んでいく紫を見送る。
その飛び方は危なっかしげにも、力強くも見えた。
鮮烈な色が眼の底に焼きついた。
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2011/07/06(水) 23:26:35.61 ID:s2y2te8to
またふたりで歩き出した。
先程までの不安な気持ちはどうしてか消えていた。
こんな風に心の中が変わっていくのは愉快だと思った。
自分の心の子どもっぽさを感じて面白かった。
隣を歩む唯の前髪が視界の端でゆれる。
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2011/07/06(水) 23:32:51.62 ID:cClvjANSO
>>2の
いつも通る道に、名前を知らないあの花が今年もまた咲いている。
地面から数センチの低い草が咲かせる紫の花を見詰めていると、そこから澄んだ匂いが漂ってきた気がしたがまさか気
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/07/06(水) 23:38:45.19 ID:s2y2te8to
>>16
そこと>>3の
>問いかけの言葉―アイロンをあててないシャツのように気の利かないおかしなアクセントで話された―に振り向くと、
>
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/06(水) 23:43:55.99 ID:cClvjANSO
>>17
了解
>>3のは気にらならなかった。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/07/07(木) 00:02:24.82 ID:epPtmkN80
乙です
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:42:09.12 ID:kPL2CQfgo
#2 和「どうしたの?」唯「私は悪い子だったようです」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:43:10.04 ID:kPL2CQfgo
時々どうしようもない思いに捉われる。
それは初め、心の表面に発生した思いつきに過ぎなくても、時間が経つにつれて精神の奥深くに食い入って、最終的には私という存在の中心に居座ることになる。
悩みというほど深刻なわけじゃない。
その思いは異物で、のどの奥に何かが引っ掛かっていて咳が出そうな感じ、というのに一番近い。
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:44:10.66 ID:kPL2CQfgo
効率よく、それを消してしまえる手段も心得ている。
誰か話をよく聞いてくれる人に、その思いをすべて打ち明けてしまえばいい。
異物は身体の中から抜け出て、二人の会話の空間の中へと溶け込んで、無害な物質に変わる。
ただ、それが案外難しい。
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