27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:49:13.29 ID:kPL2CQfgo
私が和ちゃんのことをわかっていると思うのは、表面的なことじゃなくて、和ちゃんの心のうちがわのことだ。
和ちゃんには外側と内側がある。
野菜の皮と中身か、あるいは卵の殻とヒヨコみたいに。
もちろんそんなの、誰にだってあると人は言うだろう。
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:50:16.62 ID:kPL2CQfgo
私の話を聞いてくれたり、友達にアドバイスをしている時の和ちゃんは、やさしい母親のようでもあり、同年代の子どもには思えない。
でも、すごくナイーブな時の和ちゃんは、弱々しくて、保護したくなるようなオーラを放っている。
どうやらそのオーラが見えてる人は少ないようだ。
和ちゃんには悪いかもしれないけど、私だけわかっていればいいんだ。
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:51:17.32 ID:kPL2CQfgo
★
和ちゃんの感じ方とか、私が一番よく知ってるなんて、傲慢な思い込みに過ぎないと感じることもある。
自分がひどく惨めで、和ちゃんにはふさわしくない人間に思える。
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:52:17.71 ID:kPL2CQfgo
★
それでも、はっきり、この気持ちが恋だと気付いてからは、まだ日が浅い。
戸惑いはしなかった。
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:53:18.14 ID:kPL2CQfgo
「こういうことさ、考えたことない?」
「どんなこと?」
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:54:18.77 ID:kPL2CQfgo
「そうなんだけどさ。逆に、私が軽音部に入らなかったら、ってことも考えるんだ。私じゃなくて別の誰かがギターを弾いてて、その子が私みたいにみんなと仲良くやってるって想像をはじめると、なんか、ちょっとだけ怖くなるよ」
「こわい?」
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:55:19.27 ID:kPL2CQfgo
私がおおむねこんなようなことを話し終えると、和ちゃんはいつもの流儀で、少し沈黙した。
そして歩きながら考え込む和ちゃんの顔を見て、『ああ、私は好きだなあ、この顔が』と思った。
そしてその感情が特別なものだと知った。
今まで話したことと矛盾するようだが、この感情は確かだと思った。
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:59:08.32 ID:kPL2CQfgo
私がおおむねこんなようなことを話し終えると、和ちゃんはいつもの流儀で、少し沈黙した。
そして歩きながら考え込む和ちゃんの顔を見て、『ああ、私は好きだなあ、この顔が』と思った。
そしてその感情が特別なものだと知った。
今まで話したことと矛盾するようだが、この感情は確かだと思った。
35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 20:00:02.71 ID:kPL2CQfgo
★
戸惑わないということと、迷わないということは、しかし別のことだ。
こんな感情をどうすればいいんだろう?
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 20:00:29.10 ID:kPL2CQfgo
初めのうち、和ちゃんのことを好きだという自覚をもって、色々な和ちゃんを観察するのは楽しかった。
「好きだ」と思ってみると、いままで見ていた和ちゃんが急に鮮やかな光を放って見えた。
和ちゃんが私の視界の中で特別に輝きだした。
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