過去ログ - かがみ達は深い霧に囚われたようです
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207:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/18(木) 01:27:19.54 ID:wGCdZCC0o
つまり、助けは期待できないということだ。
少なくとも、私達が帰る予定だった明後日の昼間までは。
208:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/18(木) 01:28:46.60 ID:wGCdZCC0o
それは、考えることだけ無駄なことなのかもしれない。
なんとか、思考の矛先を切り換える。
「……つかさとみゆきはどうしてるの?」
209:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/18(木) 01:30:00.51 ID:wGCdZCC0o
「おふろ、いただきますねー」
カップの中に朱色が広がっていく様子を楽しんでいるうちに、ゆたかちゃんが浴室へ通じるドアをくぐっていった。
同時にみなみちゃんもテーブルへ場所を移し、コップに注いだ牛乳を一口一口、それが貴重なものだというように飲み始めた。
210:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/18(木) 01:31:19.89 ID:wGCdZCC0o
オーブンがロールパンをじりじりと焼いている。
その音やただよう甘い香りに引かれながら、思考は宙を舞っていた。
211:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/18(木) 01:32:18.14 ID:wGCdZCC0o
「……あのさ、これからどうする?」
漠然とした、一人言のように呟いた質問の、その意味はしっかりと伝わっているようだった。
全員が、それぞれに体を強張らせる様子が感じられる。
212:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/18(木) 01:33:52.39 ID:wGCdZCC0o
「……私はね、柊ちゃん」
意外にも、話の口火を切ったのは峰岸だった。
213:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/18(木) 01:34:49.42 ID:wGCdZCC0o
ホテルに辿りついたときに、その窓から中を覗いたことを思い出す。
大通りに面した窓は、私の背丈の倍もある大きなはめ殺しのもので、
装飾過多なそれはショーウインドウのような印象を与えるものだった。
214:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/18(木) 01:36:43.76 ID:wGCdZCC0o
「……とにかく、逃げるのは厳しいってわけね……」
その結論に返事は返ってこない、それが何よりの答だった。
そこら中にあいつらがいる状況で、車まで辿りつくことは不可能だろう。
215:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/18(木) 01:37:47.48 ID:wGCdZCC0o
きゃあああああぁぁぁぁぁぁ……
216:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/18(木) 01:38:48.93 ID:wGCdZCC0o
その一瞬の余韻を、私はただ眺めていた。
日下部も峰岸も同様に、立ち上がろうともせずただ互いに顔を見合わせている。
まるで夢のような浮遊感だった。
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