過去ログ - かがみ達は深い霧に囚われたようです
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:26:54.26 ID:TBBAKQJ7o
#1
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:27:34.08 ID:TBBAKQJ7o
美しい稜線を切り裂くように描かれた一本の道路。
赤いスポーツカーが灰色のカーブ上に滑らかな軌道を残して駆け抜けてゆく。
「……はずだった」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:29:39.52 ID:TBBAKQJ7o
訂正。
子供の作った粘土細工みたいに歪んだ一本の道路、いや、道。
私の白い軽自動車(レンタカー)は凸凹の道を右に左に上下斜めに揺られながらなんとか進んでいる。
しかも道はどんどん森林に分け入っていて、日照りもなけりゃ視界も悪い。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:30:48.55 ID:TBBAKQJ7o
車は走る。
現在時刻は13:10。
車には、私と日下部と峰岸の3人が乗っている。
女子3人寄ればなんとやらとは言うけど、ごたぶんに漏れずこの車内もやっぱりかしましい。
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:32:31.16 ID:TBBAKQJ7o
となると私はなんだろう?
やっぱり二人の保護者?
でも私のカッコもボーダーカットソーにショーパンレギンス、ミュールとかだし……
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:34:13.35 ID:TBBAKQJ7o
まいった。
大学の友人にも指摘されたのだが、どうやら私は考え事の最中に独り言をつぶやく癖があるらしい。
よりにもよって日下部に聞かれるなんて、一生の不覚。
しどろもどろになって言い訳を考えていると、思いがけず助け舟が渡されてきた。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:36:00.55 ID:TBBAKQJ7o
悪路から解放され広く整った道路を十数分走り、
巨大な骨組みで構成された塔の足下に車を停めると、私は全身を目一杯伸ばした。
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:37:07.67 ID:TBBAKQJ7o
「柊ちゃん」
振り返えれば差し出されるペットボトル2本。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:38:39.30 ID:TBBAKQJ7o
「峰岸、悪いんだけどそっちの水ちょっともらえない?」
「あれ、柊ちゃん100パージュースだめだったっけ?」
彼女は心底意外そうな顔を見せながら、ミネラルウォーターのボトルキャップを閉めて差し出してくれる。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/07/18(月) 05:40:24.38 ID:TBBAKQJ7o
「……そんじゃ日下部もいないところで真面目な相談なんだけど、峰岸はこれどう思う?」
と、つとめて明るい調子で呼びかける。
そう、私達はなかなかの難問を目の前にしていた。
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