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2011/08/03(水) 02:39:30.49 ID:UwF03LhUo
「質問がいじわるだったかな。ゴメンね」
「……」
「お姉ちゃんが死んじゃったから、二人の空想ももうお仕舞いなのかな」
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2011/08/03(水) 02:40:51.85 ID:UwF03LhUo
ほんとうは私も唯も、気付いていたんだ。
二人の関係を守るために作り、積み上げたはずの空想は実際、
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2011/08/03(水) 02:42:09.44 ID:UwF03LhUo
彼女がベッドに膝を乗せ、ぎしり、とスプリングが軋んだ。
絡めていた指を外して両手を持ち上げる。
覆いかぶさるようにして私を見下ろす彼女の背中を抱きしめると、
彼女は少し泣きそうな目で笑ってから、私の首筋に吸い付いた。
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2011/08/03(水) 02:43:23.69 ID:UwF03LhUo
「和ちゃん?」
不安そうな顔をした彼女の頬を、優しく撫でてやる。
「さっき聞いたわよね。あなたと唯、どっちに逢いに来て欲しかったかって」
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2011/08/03(水) 02:44:44.79 ID:UwF03LhUo
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2011/08/03(水) 02:46:16.65 ID:UwF03LhUo
じわりと視界が濡れて、こめかみを伝った涙がシーツに落ちる。
私を見下ろす唯の両目がみるみる潤んで、
あふれた涙は頬に触れたままの私のてのひらから腕を伝い落ちて、一筋の跡を作った。
「……はぁ。あーあ、やっぱ来るんじゃなかったかなぁ」
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2011/08/03(水) 02:47:56.78 ID:UwF03LhUo
「キスしといて、大丈夫もなにもないと思うけど」
「あ、えと、それは……つい?」
「つい、で死んだ子にキスされる私って何なの」
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2011/08/03(水) 02:48:43.35 ID:UwF03LhUo
「……そういうとこは死んでも変わらないのね、あんたは」
「今のは地味に刺さったよ、和ちゃん」
「……まあでも、」
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2011/08/03(水) 02:50:42.94 ID:UwF03LhUo
「……いいの?ほんとに?」
「言ったでしょ。あなたが居てくれれば、それでいいの」
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2011/08/03(水) 02:52:17.85 ID:UwF03LhUo
「コホン、……準備はいいですか?」
「いつでもどうぞ」
「うむ、」
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2011/08/03(水) 02:53:59.00 ID:UwF03LhUo
「だけど、ほんとにいいのかな。私が和ちゃんの幸せ奪っちゃって」
私の左手を口元に寄せたまま、唯が呟く。
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