78: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/22(月) 19:25:37.47 ID:g2nhK56+0
一方通行が二人の戦闘を眺めていたのは十分かそこらだったが、それだけで粗方の解析は済んでしまった。
知らない物理法則がそこにあるなら、今まで知っていたものが間違っていたというだけの事である。
もう一度、垣根が生み出す得体の知れない『何か』が世界に存在するものとして自分の中の物理法則を構築し直せばいい。
79: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/22(月) 19:26:56.57 ID:g2nhK56+0
と、半ば馬鹿にするような事を考えていたその時だった。
守り続けるのに飽きたのか、垣根の方から美琴へ軽い攻撃が仕掛けられた。
80: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/22(月) 19:29:04.44 ID:g2nhK56+0
そこには、肌も髪も真っ白な、異様な出で立ちの少年が立っていた。
もちろん知り合いではない。こんな白い人間に心当たりもない。
突然の第三者の介入に、垣根は驚くと言うよりも面倒そうな顔をした。
81: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/22(月) 19:31:51.09 ID:g2nhK56+0
「大層なモンじゃねェ。バイトだよ。俺はこの実験で出る死体の回収係」
殺気立って見詰めてくる美琴を宥めるように手を振り、一方通行は続ける。
82: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/22(月) 19:33:18.12 ID:g2nhK56+0
「やめてッ――!!」
美琴が叫んだ。
何かしらの手を使って彼を助けようとしたようだが、未元物質を止めるには至らなかった。
83: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/22(月) 19:34:33.07 ID:g2nhK56+0
学園都市第一位の頭脳を誇る垣根は、五年前に見た新聞の記事を覚えていた。
たった十歳の能力者が、完全武装した警備隊に攻撃されながらも生き残ったばかりか、返り討ちにしたという話。
当時はそれなりの規模のニュースになったが、五年の間に次々起こるニュースの波に流され、ほとんど人々の記憶には残っていない。
84: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/22(月) 19:36:12.22 ID:g2nhK56+0
「無い、てのはどォいう意味だ?」
一方通行の疑問に、美琴が緊張した面持ちで答えた。
85: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/22(月) 19:37:08.84 ID:g2nhK56+0
そんな彼の心情など知る由もなく、垣根はただ興味深そうに一方通行を眺めていた。
「……ハッ! おもしれえ。この第一位の『未元物質』どこまで反射し切れるか試してみるか」
86: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/22(月) 19:39:37.61 ID:g2nhK56+0
「……くっだらねェ」
ぽつり、と呟く声が聞こえた。
87: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/22(月) 19:40:53.51 ID:g2nhK56+0
「……おもしれえ……」
「!」
88: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/22(月) 19:43:28.76 ID:g2nhK56+0
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「……クソッタレ。怪我人の治療くらい黙ってやりやがれ」
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