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2011/09/15(木) 07:38:43.73 ID:WXt/fxCKo
唯「ねえあずにゃん、ここってなんていう名前だっけ」
律先輩からの絵はがきを目の高さに掲げて、
唯先輩が2本目のアイスを頬張りながら聞く。
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2011/09/15(木) 07:39:54.08 ID:WXt/fxCKo
唯「あっ!あずにゃんそれ!」
梓「えっ?」
ふいに唯先輩が大きな声を出して、びっくりして振り返る。
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2011/09/15(木) 07:40:58.75 ID:WXt/fxCKo
しゅこしゅこ、しゅこしゅこ
唯先輩が足踏みポンプを踏む様子を、窓辺に座って眺める。
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2011/09/15(木) 07:42:02.52 ID:WXt/fxCKo
30分ほどかけてようやく膨らんだビニールプールに、ホースで水を張る。
唯「気持ち良さそうだねー、スイカとか冷やしたくなるねえ」
梓「唯先輩は食べ物のことばっかりですね」
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2011/09/15(木) 07:44:09.99 ID:WXt/fxCKo
ざぶざぶと波打つ水面が太陽の光を反射して、きらきら光っている。
サンダルを脱いで、おそるおそる片足を水に浸す。
梓「……つめた」
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2011/09/15(木) 07:45:07.78 ID:WXt/fxCKo
梓「……」
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2011/09/15(木) 07:45:58.52 ID:WXt/fxCKo
小さなビニールプールの中に座り込んで、びしょぬれのまま、
唯先輩の両手が私の両手を包み込む。
その手が冷たいのにあったかくて、ずきんと胸が痛む。
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2011/09/15(木) 07:47:29.36 ID:WXt/fxCKo
……初めて参加したライブツアーのサポートは、最初のうちは順調だった。
知らない街で初めてのお客さんを目の前にして演奏する、刺激的な日々。
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2011/09/15(木) 07:49:04.23 ID:WXt/fxCKo
梓「今考えれば、早く誰かに助けを求めるべきだったんです」
唯「……」
梓「我慢してるうちに、ストレスで胃を痛めてしまって」
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2011/09/15(木) 07:50:51.27 ID:WXt/fxCKo
水の中で、握られた手がゆらゆらと揺れている。
唯先輩は何も言わず、ただ静かに私が話すのを聞いてくれている。
いちど目をつぶって、深呼吸して、再び口を開く。
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2011/09/15(木) 07:52:14.56 ID:WXt/fxCKo
こつん。
唯先輩の額が、私の額に触れる。
唯「……大変だったね、あずにゃん。よくがんばったね」
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