77:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 21:50:11.31 ID:CGXDMCHp0
皆さん、こんばんは。
第3話、第4話を投稿させていただきます。
78:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 21:50:50.17 ID:CGXDMCHp0
蝉の声が聞こえる中、汀は圭介に車椅子を押してもらいながら、木漏れ日の中を進んでいた。
夕暮れ近くの、気温が下がってきた頃、近くの公園まで散歩に出てきたのだった。
そこで、汀はふと、公園の木の下に目を留めた。
「圭介」
79:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 21:51:47.48 ID:CGXDMCHp0
淡白に聞き返した圭介に
「もう……」
と呟いて、汀は頬を膨らませた。
80:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 21:52:19.36 ID:CGXDMCHp0
3.蜘蛛の城
汀の部屋の隅に、圭介が用意したケージが設置された。
しばらくは安静が必要と判断したので、やはり圭介が動物病院に連れて行き、それから綺麗に洗ってやってから、弱いドライヤーで乾かす。
子猫は大分衰弱していたが、温めたミルクなどを口に運ぶと、貪るように食べた。
81:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 21:53:18.37 ID:CGXDMCHp0
「小さくて白いから」
「…………」
「それに、毛なら平気だよ。慣れたし」
82:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 21:54:40.27 ID:CGXDMCHp0
「どうして?」
「クライアントのたっての希望だからだ」
そう言って、圭介は小白の首の皮をつまみあげた。
83:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 21:55:23.71 ID:CGXDMCHp0
圭介の言葉を打ち消して、汀は大声を上げた。
こうなってしまっては、彼女は頑固だ。
圭介は一瞬、彼女を怒ろうと口を開いたが、すぐにそれを閉じた。
そして考え直して言う。
84:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 21:56:23.63 ID:CGXDMCHp0
*
「遅くなりました」
圭介が車椅子を押しながら、長テーブルが置かれた広い会議室に足を踏み入れる。
85:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 21:57:15.08 ID:CGXDMCHp0
「あの……マインドスイーパーというのは……」
「あそこにいる白髪の子供です」
「そんな……まだ、小さな……」
86:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 21:58:05.04 ID:CGXDMCHp0
「私知ってる。この人、この前死刑判決が出た人だ」
汀の細い声を聞き、喪服の女性が老人達を見る。
老人達は、汀の手の中で眠っている猫を見て、不快そうな顔をしていた。
87:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 21:58:48.18 ID:CGXDMCHp0
「意外だな。もう少し話を聞かなくてもいいのか?」
「お受けすると言っただけです。それ以上でもそれ以下でもありません」
圭介はそこで息をついて、資料を見終わったのか、目の前に放った。
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