57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 02:02:54.96 ID:uFOG1DQZo
「…………」
「…………」
「…………」
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2011/11/24(木) 02:03:22.49 ID:uFOG1DQZo
そう、成れの果てといっても、彼女は吸血鬼、食事といえば、――吸血である。
僕は彼女の小さな体躯に腕を回し、強引に持ち上げるようにしながら、僕は彼女の口を
僕の首筋へと導く。まるで抱き合うように。存在していることを、確かめるように。
59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 02:03:55.74 ID:uFOG1DQZo
「……あれ?」
と言ったところで。
今日に限って、彼女が僕の首筋に噛み付いてこないことに気付く――抱擁しあうような
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2011/11/24(木) 02:04:28.32 ID:uFOG1DQZo
違った。
見てみれば――吸血鬼幼女の視線を追ってみれば。
彼女は僕の首筋など見てはおらず。
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2011/11/24(木) 02:05:12.82 ID:uFOG1DQZo
彼女は『僕の血』よりも確実に、『ドーナツ』に魅せられていた。
大事な栄養源よりも、ただの嗜好品に魅せられていた。
さっきまで僕を睨みつけていたその視線は、今、甘い香りのする箱の方へと向けられて
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2011/11/24(木) 02:06:17.07 ID:uFOG1DQZo
うわあ……なんというか……凹むなあ。
文字通りの命を削る行為が、千円の十個の、小麦粉を揚げた物に負けるのか……。
まあ、僕の値打ちなど零を下回っている可能性があるのだけれど。
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2011/11/24(木) 02:06:52.08 ID:uFOG1DQZo
そんな突込みを入れる頃にはもう、彼女はドーナツを食べ終えていた。
ゴールデンチョコレートも、
フレンチクルーラーも、
64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 02:08:28.12 ID:uFOG1DQZo
「よお、阿良々木くん」
と。
いきなり後ろから声をかけられ、僕はビクッと、氷水でも浴びせられたかのようになっ
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2011/11/24(木) 02:09:43.92 ID:uFOG1DQZo
そう言ったかと思うと、あーあ、と忍野は心底残念そうに、
「察するにそのミスドは、僕に対するお土産として持ってきてくれたっぽいけれど――は
あ、食べ損なっちゃったな…………」
66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[sage]
2011/11/24(木) 02:11:10.46 ID:uFOG1DQZo
雰囲気から読み取るに、他の教室で寝ていたというわけではなさそうだ。まさか、伝説
の(元)吸血鬼を放っておいて夜の町に繰り出すなんてことはこの男に限ってないだろう。
・ ・ ・
だとしたら、なにかがあるのだ。
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