過去ログ - 岡部「学園都市だと!?」上条「……はい」
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2011/12/04(日) 15:07:47.86 ID:9kMGiZg5o
「飾利、あなたも立派な風紀委員ね。そしてスーパーハカー。のんびりとしているようだけど、この中じゃ一番しっかりしているのかもしれないわ。その場にいる全員に気を配れる温かい心も持っている。そして何より、ともだち想い……。その温かさでみんなを守る縁の下の力持ち。ゴールキーパーみたいなものね」
「わたし、そんな、しっかりなんて……」ハンカチを目に当てて、泣くことを止めようともせずに初春はいった。「わたしなんて、守られてばかりで……」
「みんなあなたを頼りにしているわよ」紅莉栖は微笑んで最後に佐天のほうを向いた。
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2011/12/04(日) 15:09:21.41 ID:9kMGiZg5o
「涙子、ありがとう。違うのよ。わたしたちが仲間にしたんじゃないの。あなたたちが、あなたの笑顔が、わたしたちをあなたたちの仲間にしてくれたのよ。まったく、本当にすごい能力よね。そしてあなたはとても強い心を持っている。でも、もっとともだちを、仲間を頼ってもいいのよ。いつも元気な声で笑っていなくてもいいの。この子たちはみんなあなたを抱きしめてくれるし、あなたの涙を拭いてくれる。これからもっと頼れる、頼りたい人も出てくるかもね」
「わたし……、でも……今は、笑いたい、のに……」そういって笑おうとする佐天の涙を紅莉栖が指ですくった。「それと……無精髭の生えている人……本当は、結構好み……です」
「あいつはあげられないわよ」と紅莉栖は少し眉を寄せて笑った。
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2011/12/04(日) 15:10:22.04 ID:9kMGiZg5o
そして紅莉栖は半歩ほど後ろに下がって4人の少女の顔を見渡すと、また深く頭を下げた。
「みんな、本当にありがとう。どんなにお礼をいっても伝えきれないわ」
「大丈夫。伝わっていますから……。ラボメン……、仲間ですから」佐天が笑顔を作って見せた。
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2011/12/04(日) 15:11:34.98 ID:9kMGiZg5o
一方、岡部も上条に頭を下げていた。
しかし、こちらは一言も話さず、岡部はただ頭を下げ続けた。
「あのう……、岡部……さん?」しばらくその状態が続き、どうすればいいのかわからなくなった上条は、腰をかがめて岡部の顔を下から覗き込もうとした。
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2011/12/04(日) 15:14:07.21 ID:9kMGiZg5o
「でも、言葉がなくたって伝わりますよ。何もいわなくても……、そんな風に頭を下げなくても……、伝わります」上条も目に涙を溜めていた。「とにかく頭を上げてください」
「それはできん!」
「岡部さん……。じゃあ、そのままで聞いてください。おれ、不幸なんですよ。この右手のせいらしいんですけどね。御坂にはいつも追いかけ回されるし、大食いのシスターは転がり込んでくる。レベル5の第1位と喧嘩したことだってあるんです。それに魔術師なんてわけのわからないやつらが襲ってきたり……。それでいつも病院送り。他にもいろいろあるんですよ。それで今日も、突然変な機械にぶち当たって、中から白衣の人たちが出てきて……、ああ、これは不幸だって思ったんです。でも違いました。岡部さんと紅莉栖さんは、まったく知らない場所だっていうのに明るくて強くて、御坂や佐天さん、他のやつらにだって優しかった。それですぐにあいつらと仲良くなってしまって、いつの間にかおれもその仲間みたいになってて……。なんだか楽しかったんです。おれを仲間にしてくれてうれしかったです。それで思い返してみたら、おれの人生って結構楽しいんですよ。確かにいろいろあるし、貧乏だし、入院代はかさむし、小さな不幸を挙げたらキリがないけど……。どれもこれも思い返してみたら結構楽しいんです。いろんなやつの顔が浮かんでくるんですよ。助けることができた仲間。助けてくれた仲間。浮かんできたあいつらの顔は、みんな笑っているんです。その、なんていったらいいのか、おれもわかりませんけど、最後に笑っていれば、それは不幸じゃないのかなって……、楽しいことなんじゃないかって思うんです。だから岡部さん、最後は……笑いませんか?」
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2011/12/04(日) 15:16:41.11 ID:9kMGiZg5o
上条の言葉を聞いた岡部はまだ頭を下げたまま、かすれた声で小さく呟いた。「……ありがとう」
そしておもむろに顔を上げると、そのままあごを上げて天井を見つめ、涙声で叫んだ。「フ、フゥハハハ!何を語っているのだ少年よ!男子とは多くを語るものではない!フゥハハハ!仲間にしてくれただと!? 勘違いをするな少年!おまえは最初から皆と仲間だったではないか!そんなこともわからんのか無能力者というやつは!まったく愚かしいものだ!フゥハハハ!もう一度だけいうぞ!男子とは多くを語るものではないのだ!ならばこそおれは一言だけいってやろう!いいか、よく聞け!この狂気のマァァァッドサイエンティストゥゥゥ!にして!能力者であるこの鳳凰院凶真の言葉をな!!おれは!……おれは……おれは幸運だっ!」
声を枯らしてつまるようにしながら叫び終えた岡部はそのまま目を閉じた。
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2011/12/04(日) 15:20:33.72 ID:9kMGiZg5o
岡部と上条が室内に戻ると、紅莉栖たち5人は、まだ全員で抱きあうようにして泣いていた。
「……何をしているのだ百合少女たちよ。ダルに写真でも撮っていってやろうか」こういって岡部は携帯電話を取り出した。
「やめんかバカ者!……なんか叫んでいたみたいだけど、あんたちゃんと当麻にお礼いったの?」
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2011/12/04(日) 15:21:07.87 ID:9kMGiZg5o
「あんたも目が赤いわよ」自身も目を真っ赤にした美琴が上条を見て笑った。
「……御坂、それは違うぜ。
おまえのその赤い目が!すべてを赤く見せちまっているんだよ!
いいぜ御坂!おまえのその赤く染まった世界をおれが変えてやる!
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2011/12/04(日) 15:21:44.05 ID:9kMGiZg5o
「……あんたは? あんたは……その、わ、わたしを変えてくれる?」紅莉栖が目ではなく頬を赤くしていうと、岡部は突如まだ手に持ったままの携帯電話を耳に当てた。
「おれだ!機関の妨害を受けている……。ああ、大丈夫だ。変えてみせる。問題はない。……ああ、すべては運命石の扉<シュタインズゲート>の選択のままに。……エル・プサイ・コングルゥ」
ーー 変えてみせるって、わたしにいったのよね/// ーー
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2011/12/04(日) 15:26:16.47 ID:9kMGiZg5o
風紀委員第177支部にふたりきりとなった岡部と紅莉栖は、隣り合った椅子に身を寄せて座っていた。
「……どうすればいいのかしら///」
「再現すればいいのだから、おまえがお邪魔します、というところからだろう」
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2011/12/04(日) 15:27:08.11 ID:9kMGiZg5o
一方、その外の廊下では上条たち5人が、初春の持つノートパソコンの画面を食い入るように見ていた。
「さすが初春ですの」
「へへ、当然です。ぬかりはありません」
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