84:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:51:20.25 ID:c4Axoe8J0
その時だった。
廊下の向こうからドアの軋むような音が聞こえて来たかと思うと、微かに風が吹き込んできたのに杏子は気づいた。
(……?)
85:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:52:23.11 ID:c4Axoe8J0
「わっ?」
危うく杏子は大声をあげてしまうところだった。
いつの間にか、キュゥべえがそこにいたのだ。
86:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:53:53.14 ID:c4Axoe8J0
そう言葉を交わす間にも、杏子とキュゥべえを取り囲む景色は目まぐるしく変わっていく。
(どこから来る……?)
槍を握る手が汗ばんでくるのを感じながら、杏子は懸命に敵の気配を探ろうとした。
87:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:54:45.77 ID:c4Axoe8J0
「いったいどういう相手なんだ?こいつ」
「僕にも分からない」
キュゥべえは首をひねった。
88:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:55:23.21 ID:c4Axoe8J0
ともすれば半日ほども結界の中をさまよい歩いただろうか。
「杏子、気をつけて」
89:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:56:19.36 ID:c4Axoe8J0
「うわッ……!」
杏子の左足を、凶々しい光を放つ刃が切り裂いた。
体制を崩した杏子に、さらに激しい魔女の攻撃が浴びせられる。
90:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:57:34.80 ID:c4Axoe8J0
「てめえ……」
杏子は笑った。
「遅えんだよ……!元はと言えば、てめえがぐだぐだしてやがったからじゃねえか。おいしいとこだけ、持ってくつもりかよ……!」
91:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:59:02.31 ID:c4Axoe8J0
マミは、覚悟を決めてこの場所に来た。
例えどんな結果が待ち受けていようと、自分は魔女を倒すのだと。
92:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:59:46.72 ID:c4Axoe8J0
「初め彼女は……心の隙をつかれて、使い魔に魅入られたんだろう。だが彼女には、ふつうの少女にはない素質があったんだろうね。魔力を涵養する、器のようなものとしての素質とでも言うべき何かが。それに気づいた使い魔は、彼女を殺しもせず、餌にすることもせずに、その中に棲むことに決めたんだろう」
キュゥべえが話をする間、マミは表情一つ変えずに、目の前の「魔女」を見ていた。
「この2ヶ月、彼女の内側に隠れ潜んで、魔女は機会を伺っていたんだろうね。宿主の魂を内側から喰らい、さらにいくたりかの人間を手にかけた魔女は、膨大な魔力を蓄えて、ついに自らの結界を外の世界に展開した。それが―今僕たちがいる、この場所だよ」
93:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 04:01:03.59 ID:c4Axoe8J0
(あき……本当にあなたは、もうどこにもいないの?)
ゆっくりとマミは「魔女」へと―その少女へと近寄って行った。
94:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 04:01:37.01 ID:c4Axoe8J0
杏子が呟いたとき、マミは立ち止まった。
沈黙があたりを支配する。
(マミ……)
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