過去ログ - 岡部「ふ、フゥーハハハ!」 鈴羽「ちょっと違うかな」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/21(土) 23:09:25.41 ID:tV3SGbYDO
薄暗い階段を昇りきった先、重たいドアを開くと、真夏の夕日が屋上全体を橙色に染めていた。

岡部「うぃーす」

俺は、そのオレンジ色の中にいた先客に声をかけた。

視界の端、手すりにもたれて遠くを見つめているのは、おさげの女。

鈴羽「あ、ジュニア。今日は遅かったじゃん」

岡部「開口一番にジュニアって呼ぶな」

鈴羽「あっはは」

朗らかに笑いながら、こちらに向き直ってくる。

鈴羽「無理無理、あたしの中では、キミはジュニアでインプットされてるから」

鈴羽「今更変えようがないよ」

橋田はにっこりと微笑み、首を傾げた。

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/21(土) 23:10:48.95 ID:tV3SGbYDO
俺には歴とした名前があるというのに、橋田は事ある毎にジュニアと呼んでくる。

その理由なんて、有って無いようなもので。

以前聞いてみたところによると、“それは、キミがオカリンおじさんの息子だから”と。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/21(土) 23:13:12.68 ID:tV3SGbYDO
岡部「……今日はまだ、漆原は来てないのか?」

鈴羽「まだ来てないよ。 いつもは一番に来てるんだけどね」

岡部「そうか」
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/21(土) 23:14:47.10 ID:tV3SGbYDO
俺としても、開発の成果を披露したくて気持ちが逸っていたというのが正直なところだ。

俺は、持ってきていたカバンから、物々しい物体をいくつか取り出して、その一つを橋田に差し出した。

鈴羽「見た目は変わってないね」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/21(土) 23:16:16.40 ID:tV3SGbYDO
鈴羽「それよりさ」

突然、ムッとした表情。

岡部「なんだよ」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/21(土) 23:18:27.19 ID:tV3SGbYDO
ラボメンジャージ。

ビンテージっぽいデザインの、ブルーのジャージだ。

“ラボメンにもユニフォームが必要だから”と、この間、橋田が突然持ってきたのだった。
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/21(土) 23:20:29.74 ID:tV3SGbYDO
岡部「とにかく、なんと言われようと俺は着るつもりはないぞ。 あんなもの」

鈴羽「えいっ!」

俺が言い終わるかどうかのところで、急に橋田の人差し指が飛んできたかと思いきや。
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/21(土) 23:22:07.39 ID:tV3SGbYDO
岡部「……自業、自得だぁ?」

鈴羽「そ。ジュニアってば、生意気すぎんだもん。もう少し、年上の言う事を尊重すべきだよ」

岡部「いや、一個しか違わないだろうが……!」
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/21(土) 23:27:25.44 ID:tV3SGbYDO
なおも絡んで来ようとする橋田を受け流し、俺は屋上の真ん中、存在感たっぷりに鎮座していたベンチに腰を預けた。

ノートPCを立ち上げ、膝の上で操作する。

しばらくして、ようやく落ち着いた橋田も、俺の隣に腰掛けた。
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/21(土) 23:29:36.67 ID:tV3SGbYDO
途端に、夕暮れのアキバの空には、一筋の光が打ち上げられ。

それは、ずっと高くまで飛翔して。

俺たちの遥か頭上に弾けて、キラキラと燐光を漂わせた。
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/21(土) 23:31:39.80 ID:tV3SGbYDO
鈴羽「でもさ、何かこれって、花火の打ち上げ回数、減ってない?」

横から、あからさまにトーンの落ちた声。

岡部「え……?」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/21(土) 23:34:26.57 ID:tV3SGbYDO
まあ、それは指摘されるまでもなく、俺自信も気にしていたところではある。

でも、どれだけ試行錯誤したところで、俺にはこれが限界だった。

もう、こんなもんでいいだろ。
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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/21(土) 23:37:41.84 ID:tV3SGbYDO
岡部「いっ、言わせておけば……随分と言ってくれるじゃねえか……!」

こっちは、お前の“昼間でも花火が見たい”という、訳の分からん着想に付き合ってやっているというのに。

さすがに少しばかりカチンときたので、言葉に皮肉の音を込める。
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州)[sage]
2012/01/22(日) 01:03:58.19 ID:OUqvYjDAO
うむ
実にいい…


15:名無しNIPPER[sage]
2012/01/22(日) 01:14:04.49 ID:CubjYbiAO
この岡部はオカリンと紅莉栖の息子で、漆原はルカ子とまゆりの子供なわけか


16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[saga]
2012/01/22(日) 01:27:54.79 ID:Hn9KWR6Mo
何歳なのかが気になるな


17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/01/22(日) 01:42:54.33 ID:SvPmyExCo
これは素晴らしい


18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/22(日) 07:07:13.07 ID:QkCNuLADO
鈴羽「だって、それじゃあ意味が無いんだよ。 とにかく、これはキミが作らなきゃダメなの」

岡部「いや、そもそもそれが―――」

鈴羽「ああもう、うるさいなぁー。 あたしが作れって言ったら、キミが作るの!」
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/22(日) 07:21:34.16 ID:QkCNuLADO
思わず力が抜けて、肩を落とす。

岡部「……へいへい。 わかった、やるよ。 やればいいんだろう」

こんなの、もう半ば脅しであるが……仕方あるまい。
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/22(日) 07:29:25.35 ID:QkCNuLADO
漆原「あーっ!」

岡部「……うん?」

聞き慣れた声に振り返ると、漆原が屋上ドアを開けて出てきたところだった。
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/01/22(日) 07:34:44.42 ID:QkCNuLADO
岡部「……聞け、漆原。 それはだな、橋田のやつが――」

鈴羽「ジュニアが先にやってようぜ、って言ったんだよねぇ」

岡部「なに!?」
以下略



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