638:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 16:59:24.21 ID:mkVHEDB80
またえづき、胃液を吐き出した燐の前でエンドゥラハンは停止した。
そして、彼女にマニュピレーターを伸ばす。
機械の腕を見て、燐は青くなった。
639:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:00:12.00 ID:mkVHEDB80
そこで、エンドゥラハンが大きく揺れた。
燐が強く揺さぶられ、悲鳴を上げる。
凄まじい音がして、
640:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:01:06.55 ID:mkVHEDB80
男性は弾が切れたガトリング砲を脇に投げ捨てると、
僅かに浮いた自分の影の中に手を突っ込んだ。
そして、今度は細身の……砲身が二メートル以上あるレーザー砲を、
まるで影が沼であるかのように、ズルリと抜き出した。
641:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:01:59.53 ID:mkVHEDB80
*
(まさカ……)
目の前で倒れている女の子を見下ろし、
642:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:02:38.62 ID:mkVHEDB80
およそ人間ではなしえない所業をしてもなお、
功刀は息一つ上がっていなかった。
彼は自分のコートを脱いで燐にかけると、
上半身をむき出しにした状態で、エンドゥラハンに向けて歩き出した。
643:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:03:22.41 ID:mkVHEDB80
功刀は、残骸を登ると、頭部までたどり着いた。
そして頭部を手づかみに、力の限り引く。
ブチブチと生体組織が千切れ、
644:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:04:16.93 ID:mkVHEDB80
脳のいたるところにコードが接続されていた。
功刀は無表情で立ち上がり、
自分の影の中から重厚なハンドガンを取り出した。
645:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:05:02.05 ID:mkVHEDB80
ずっと、この雪の中を単独で行動してきたわけではないだろう。
集団で移動してきたか。
もしくは……。
646:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:05:52.23 ID:mkVHEDB80
功刀は知っていた。
そいつが、どうして裏切ることになったのか。
裏切るに足る理由を知っていた。
647:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:06:27.14 ID:mkVHEDB80
*
燐が目を覚ましたのは、それから半日ほど過ぎてのことだった。
ハッ、と目を開き、慌てて起き上がる。
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