804:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:19:17.63 ID:bDf9OSPn0
「ハイコアを七つも持っている魔法使いなんて
聞いたことがありませぬ。きっと先は長くないでする」
「そういうことを目の前で言うもんじゃない、更紗」
805:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:19:54.23 ID:bDf9OSPn0
「涙姉さん、どうしたの? おいしくなかった?」
声をかけられた涙は、
ボーッとした表情で少女のことを見ていたが、
ハッとして硲の方に視線を移した。
806:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:20:29.27 ID:bDf9OSPn0
彼は更紗のほうを見て、
涙がしたと同じように肩をすくめてみせた。
「何だ、怖いのか」
807:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:21:01.40 ID:bDf9OSPn0
泉が言葉を止め、少女に向き直る。
「おお、喋れるようになったか!
はは、良かった。ずっと『おし』のままかと思ったよ」
808:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:21:40.28 ID:bDf9OSPn0
「わた……わたし、な、な……なんで……」
何度か言葉を発しようとして失敗し、
泉が握ってきた手を必死に握り返す。
809:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:22:18.60 ID:bDf9OSPn0
「みんな死んでたよ」
そこで、クスッと笑って、硲と呼ばれた少年が口を開いた。
泉が慌てて硲を見る。
810:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:22:57.61 ID:bDf9OSPn0
ものすごい衝撃だったらしく、
硲は顔面からスープの更に突っ込んで、
テーブルにしたたかに頭をぶつけた。
しばらくして硲はむくりと起き上がると、
811:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:23:35.08 ID:bDf9OSPn0
そして少女に向かって頭を下げる。
「ごめんなさい」
「ちゃんと謝れるようになったね、えらいえらい」
812:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:24:12.51 ID:bDf9OSPn0
「こいつは俺達の貴重な『味方』になる。
まぁ直感だがな。今日から俺達の家族だ。仲良くしろ」
「か……かぞ…………かぞく……?」
813:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/25(土) 22:24:53.18 ID:bDf9OSPn0
ベッドの上に崩れ落ちて、顔面を手で覆った少女を、
息をついて見下ろし、彼は口を開いた。
「時間はある。お前のことは俺達が守る。
だから、ゆっくり現実を受け入れるんだ。
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