過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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128: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:47:45.09 ID:h7sEMOtHo
勇者「何故だ。俺は、『淫魔の王』なんだぞ。なぜ……そんな事が言えるんだ?」

ワルキューレ「貴公を、もっと知りたいと思った。人の身でそこまで練り上げるに至った、物語を」

勇者「……『主神』はどうなる」
以下略



129: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:48:20.68 ID:h7sEMOtHo
言って、勇者は身を起こす。
押し倒し、鼻先が触れ合う距離、吐息がくすぐったく感じるような距離から離れる。
その刹那、彼女がどこか名残惜しそうな表情をしたが、彼は気付くまいとした。
気付いてしまえば――欲望のままに彼女を貪り、荒淫に耽ってしまいそうだったから。

以下略



130: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:49:19.38 ID:h7sEMOtHo
勇者「いや、そう言うのはずるいだろ」

ワルキューレ「……」

勇者「別にお前がどうとかいうんじゃなく……その。『客人』に手を出すのもどうかと思ってだな」
以下略



131: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:50:09.58 ID:h7sEMOtHo
翌朝

勇者「……なんてやり取りしてたのに。いざって時に」

ワルキューレ「……ぅ…」
以下略



132: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:50:38.00 ID:h7sEMOtHo
堕女神「……陛下、お目覚めですか?」ガチャ

勇者「ああ、起きてるよ」

堕女神「…『ゆうべはおたのしみでしたね』」
以下略



133: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:51:06.34 ID:h7sEMOtHo
堕女神「失礼します、陛下」コンコン

勇者「早いな、おい」

堕女神「彼女の部屋とベッドを暖めました。それと、陛下の朝食の準備が整っております」
以下略



134: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:51:45.47 ID:h7sEMOtHo
ぐったりと脱力したワルキューレを抱きかかえ、運ぶ最中に彼はふと思い出す。
かつての旅の途中、毒に倒れた「魔法使い」を抱いて、雪深い山麓の村を目指した時の事を。
猛烈に吹き荒ぶ自然の息吹の中、息を乱して、震える彼女を抱きながら歩いた事を。

時間にして、5分ほどの間。
以下略



135: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:52:22.38 ID:h7sEMOtHo
堕女神「この部屋です。……陛下?」

勇者「あ。……ちょっと違う事を考えてた」

堕女神「火を入れて、ベッドも暖めております」ガチャ
以下略



136: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:53:10.11 ID:h7sEMOtHo

――暖かく重る毛布と掛布団の感触が、彼女には心地よく感じた。
悪寒に満たされ、ぎこちなく凍てつくような関節は、思うように動いてはくれない。
誇り高き戦乙女が、「淫魔」の国で斯様な醜態を晒しているというのに。
それでも、彼女は…安心したように、眠っていた。
以下略



137: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/03/27(火) 03:55:08.58 ID:h7sEMOtHo
ワルキューレ「……誰…だ…?」

熱に浮かされるように、彼女は口を開く。
その手の主に問いかけるが、不快なものはない。
むしろ、その優しい手の持ち主が誰なのかを、知りたくて仕方がない。
以下略



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