過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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274:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 23:02:06.40 ID:xltWL3yio




「どんな具合?」とスズメは訊いた。
以下略



275:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 23:02:34.23 ID:xltWL3yio

「どうすればいいと思う?」

 訊ねてから、俺は本当のところ彼女を普通の人間として扱っていないのではないかと思った。
 最初からずっと、彼女が俺のすべてを見透かしていることを前提に話をしていたような気がした。
以下略



276:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 23:03:00.56 ID:xltWL3yio

「ここは"現実"なの?」

「君がそう呼ぶものに近しい。でもちょっと違う。まだ思い出せてない」

以下略



277:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 23:03:56.90 ID:xltWL3yio





以下略



278:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 23:04:30.23 ID:xltWL3yio

 もちろん、現状では、俺にとって世界Aもまた現実の一部分でしかない。区別をつけることは困難だ。
 だが、俺たちは世界Aという場所にいることで、何か(おそらくは本当の現実)から必死に目を逸らそうとしていたのだ、と考えることができる。
 
 スズメの言葉を信じるなら、けれど――“世界Bすらも現実ではない”。
以下略



279:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 23:04:51.43 ID:xltWL3yio

 今になって、ようやくそのことに思い当る。

 では次の問題は、“では、どうして俺は目覚めないのか?”という問題だ。

以下略



280:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 23:05:26.54 ID:xltWL3yio



 もう一度鏡を調べに行こう、と言うと、ハカセは一瞬だけ強く反発したが、結局頷いた。
(現実的な手触りを備えた夢は、一種の現実に過ぎないと俺は強く思う)
以下略



281:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 23:05:52.63 ID:xltWL3yio

 それにしても、旧校舎の廊下は長い。こんなに長かっただろうか?
 カリオストロ。彼はいったい、今どこで何をしているのだろう。世界を滅ぼすのではなかったのか。
 俺は静かに考える。

以下略



282:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 23:06:44.43 ID:xltWL3yio

 ――いつの間にか、袋小路に落ち込んでしまっている気がした。

 世界Aを信じるとしても、世界Bを信じるとしても、両方を信じないとしても同様に、巨大な混乱が俺を襲ってくる。
 もうわけがわからなかった。俺は何を信じるべきなのだろう。俺はどうしてこんなに混乱しているのだろう。
以下略



283:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 23:07:12.31 ID:xltWL3yio

 そうだ。ここは酸素が薄いのだ。だから混乱している。でも、どうして酸素が薄いのだろう? 
 ここは別に密室でもなんでもない。酸素が薄いなんてことはないはずだ。でも、事実息苦しいのだ。
 息苦しい。息苦しくてたまらない。ひどく生き苦しい。こんな場所に、正気の人間がいられるわけがない。

以下略



284:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/08(火) 23:07:38.62 ID:xltWL3yio
つづく


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