過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/25(水) 19:24:32.30 ID:JGE6sUjjo




 準備を終えて家を出る。通い慣れた道を通り、学校へと向かった。
以下略



49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/25(水) 19:25:08.54 ID:JGE6sUjjo

 俺は屋上に寝転がった。鈍色のフェンスに区切られた空間。
 隔絶され、孤立した空間。そこには言いようのない安らぎがある。
 外に出て仰向けに寝転がってみると、太陽は意外なほど暖かかった。
 
以下略



50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/25(水) 19:25:41.99 ID:JGE6sUjjo




 目をさますと、俺は案の定、学校の屋上に寝転がっていた。どうやら眠っていたらしい。
以下略



51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/25(水) 19:26:17.86 ID:JGE6sUjjo

 気だるさに溜め息をつくと、すぐ傍から声が聞こえた。

「起きた?」

以下略



52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/25(水) 19:27:05.54 ID:JGE6sUjjo

 少し考えて、思う。"何年も話していない"? そうだっただろうか。
 俺が彼女と最後に話したのはいつのことだっけ? 何年も前だっただろうか?
 そうだという気もするし、つい昨日、話をしたようにも思える。

以下略



53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/25(水) 19:27:34.73 ID:JGE6sUjjo

 彼女は特に感情もこもっていないような溜め息をつき、それからくすりと笑って言った。

「こういうところ、好きなの?」

以下略



54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/25(水) 19:28:06.88 ID:JGE6sUjjo

 おそらく俺にとって最大の問題はそこなのだ。俺には選びたいものがない。
 欲望するべき何かがない。欲しいものなんてなにひとつないし、行きたい場所なんてどこにもない。
 だったら、馬鹿げた努力を続けて"世間"にとどまり続ける理由はあるのだろうか。

以下略



55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/25(水) 19:28:30.55 ID:JGE6sUjjo

 惰性に支配された人間にとって、未来は向かうものではなく問答無用に襲い掛かってくるものだ。
 そこに自分の意思は存在しない。前には進んでおらず、また立ち止まるわけでもない。
 ただ、今まで歩いてきたのだから、まぁ、歩き続けたところでかまわないだろう、というわけだ。
 ベルトコンベアーに載せられているのと変わらない。
以下略



56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/25(水) 19:28:57.44 ID:JGE6sUjjo

 惰性というものは唐突に効力を失う。そこにはなんの予兆もない。
 あたかも電池が切れるかのように、突然、ぷつんと途切れてしまうのだ。

 前もって回避することは困難だし、常にそれを警戒していては疲弊してしまう。
以下略



57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/04/25(水) 19:29:56.80 ID:JGE6sUjjo
つづく


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