過去ログ - 後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
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2012/04/26(木) 13:11:32.44 ID:Cz0n/SBjo
自然科学部の部室には誰もいなかった。
四人分の鞄は置いてあるので、帰ってはいないだろう。例の噂について調べているのかもしれない。
夕陽が窓から差し込み、赤と黒のコントラストを作り出している。
以下略
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2012/04/26(木) 13:12:03.54 ID:Cz0n/SBjo
考えごとをやめてふと窓の外を見ると、世界は深い藍色に染まっていた。
部員たちはまだ帰ってこないらしい。 時計を見ると、案外早い時間だ。
そこで俺は雨音に気付いた。こんなに暗いのは、どうやら雨が天気が悪いかららしい。
以下略
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2012/04/26(木) 13:13:16.39 ID:Cz0n/SBjo
◇
廊下を歩いても、人とはほとんどすれ違わなかった。時間が時間なので当然と言えば当然なのだが、天気も相まって不気味に思えた。
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2012/04/26(木) 13:14:11.00 ID:Cz0n/SBjo
誰かいないのだろうか? まるで例の噂の神隠しにでもあった気分だが、俺は旧校舎に足を踏み入れたことはない。
そんな否定は、噂なんてあてにならないという一言で済んでしまうのだが。
俺は旧校舎に行ったことがない。あんな薄暗い場所に、俺が行くはずがない。
以下略
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2012/04/26(木) 13:15:28.65 ID:Cz0n/SBjo
やっとの思いで図書室にたどり着くが、様子はほとんど廊下と同じだった。
本棚が林立する室内から、人の姿はほとんど消えていた。その光景は、なぜだか俺に世界の終わりを思わせた。
ふと、あの手紙の内容を思い出す。
以下略
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2012/04/26(木) 13:15:58.25 ID:Cz0n/SBjo
その姿は図書委員というよりは、図書室の番人のように見えた。
彼女はいつもここにいる。委員会の活動は曜日ごとの交代制なのに、毎日ここにいる。
なぜなのかは分からない。聞いてみたこともない。話しかけたこともない。
以下略
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2012/04/26(木) 13:17:15.86 ID:Cz0n/SBjo
◇
シラノのことを思い出す。
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2012/04/26(木) 13:17:47.14 ID:Cz0n/SBjo
天気だとか、季節だとか、勉強だとか、食べ物だとか、せいぜいがそんなものだ。
同じ部に入ったのも、部を選ぶ期間を共に過ごしていたからだという気分が強い。
だからといって、俺はシラノに特別な感情を抱いたりしなかった。
以下略
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2012/04/26(木) 13:18:25.98 ID:Cz0n/SBjo
◇
昇降口で、運動部の連中に声を掛けられた。見覚えはなかったが、どうやらクラスメイトであるらしい。
以下略
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2012/04/26(木) 13:19:03.92 ID:Cz0n/SBjo
「お前は何やってんの? サボり?」
「まあね」
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