104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:50:18.44 ID:sFbrFP09o
俺は考えるのが面倒だったので、思ったことをそのまま口に出すことにした。
「男子と話すときの調子でいいんじゃねえの?」
105:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:51:01.98 ID:sFbrFP09o
「じゃあ手本見せるから。見てろ」
俺は幼馴染と向き合って会話をしようとする。こいつ相手ならどうにでもなるだろう。
話題を探す。向き合って顔を見ていると、些細なことが気になりだす。
106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:53:12.32 ID:sFbrFP09o
「だいたいさ、なんで女が苦手なんだ?」
俺が訊ねると、タカヤは思いつめたような表情で俯いた。別れ話を切り出そうとしている男のようだ。
107:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:54:55.68 ID:sFbrFP09o
俺は幼馴染に適当な話をしてもらえないものかと思った。
彼女は自分に向けられた視線に気付くと、こちらを向いて、「わたし?」という顔をする。お前だ。
困ったような顔で溜め息をついてから、彼女は口を開いた。タカヤの顔がこわばる。
108:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:55:30.37 ID:sFbrFP09o
「女慣れしてないってからかわれるんだ」
「誰に?」
109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:55:57.35 ID:sFbrFP09o
なんだか、都合のいい方向に話が動いている気がする。
結局のところ女に慣れるには女と話すしかないわけだし、そうなれば女友達でも作るのが手っ取り早い。
それなら幼馴染の友だちとでも会ってみれば? という話に簡単に持って行ける。
110:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:56:54.69 ID:sFbrFP09o
俺はタカヤに適当なアドバイスをすることにした。
俺は人間関係心理学の権威でもなんでもない。ついでに言えば女慣れもしてない。
それでも、上から目線でえらそうなことを言うくらいはできる。誰にでもできる。
111:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:58:01.42 ID:sFbrFP09o
「あれ?」
ふと後ろから声がした。幼馴染が、げっ、という表情で振り返る。
112:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:58:27.97 ID:sFbrFP09o
先輩の顔が、記憶の網に引っかかる。彼女とどこかで会ったことがある気がした。
そして、ふと思い出す。俺は俯いて顔を隠した。
「……そっちの」
113:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:59:09.76 ID:sFbrFP09o
「何の話です?」と幼馴染がこちらに向けて首をかしげる。俺が馬鹿だったという話だ。
「君」
114:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/28(月) 18:59:36.65 ID:sFbrFP09o
俺たちの許可も取らずに、先輩はタカヤの隣に座った。
突然の見知らぬ女の接近に、タカヤは可哀想なくらい動揺していた。
それすらもおかまいなしに、彼女は平然と食事を始める。
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