261:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:44:15.36 ID:MUw0mT8io
「でも結局、あのままなら同じだったと思います。わたしたちだって、先輩と一緒に居たら疲れましたし」
「バッサリ言うなぁ」
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2012/06/05(火) 14:45:07.64 ID:MUw0mT8io
そろそろ話してもいいか、という気分になっていた。
普通に考えれば軽蔑されるだろうが、それならそれで仕方ない。自業自得。俺は楽観的だった。
「実は、このあいださ」
263:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:45:35.84 ID:MUw0mT8io
やがて俯いたかと思うと、肩を震わせ始める。くぐもった息がもれる。笑っていた。
「……笑いごとじゃないんだ。俺にとっても妹にとっても」
264:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:46:02.31 ID:MUw0mT8io
「どうしてそんなことを?」
「魔がさした。としか」
265:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:46:36.01 ID:MUw0mT8io
「まぁ、相談くらいになら乗りますよ。協力しようとするとややこしいことになりそうなのでやめておきますが」
それがいい。俺は溜め息をついた。実際問題、どうしたら元通りになれるんだろうか。
ひょっとしたら、それだろうか? 俺が失ったもの。平穏な家庭。壊したのは俺。あほである。
266:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:47:03.91 ID:MUw0mT8io
「さて」
と俺が声を出して立ち上がろうとしたとき、不意に首筋に謎の感触が訪れた。
267:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:47:33.46 ID:MUw0mT8io
「君たちさ、どういうつもり?」
「……と、申されますと?」
268:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:48:12.94 ID:MUw0mT8io
「おかげで今日は、わたし、男子ふたり、しかも後輩と三人で食事だよ? 気まずいってばもう」
そんなことを気にする人とは思えないのだが。というか、キャラが違わないか、この人。
余裕ありげでクールなイメージだったのだが、今はもはや破天荒である。
269:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:48:44.43 ID:MUw0mT8io
「すみません。わたしがいなくなってからも、先輩がふたりと食事を続けるとは思っていなくて」
「だから、タカヤくんの頼みごと引き受けちゃったんだからしょうがないでしょう?」
270:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:49:45.88 ID:MUw0mT8io
「あのね」
先輩は疲れ切ったように肩を落とす。見ていて飽きない変化である。
271:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/05(火) 14:50:13.26 ID:MUw0mT8io
「いうわけで、わたしと昼食をとってくれる数少ない友人諸君」
言っててむなしくならないのか、この人。相手は全員後輩だぞ。
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