過去ログ - 勇者「淫魔の国の王になったわけだが」
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6: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/05/29(火) 01:11:52.10 ID:MraeMU1Uo
勇者「しかし…他に、やり方はないのか?」

隣女王「………どんな罰を下しても、彼女らには効き目がありませんでした」

勇者「だからって……」
以下略



7: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/05/29(火) 01:12:16.03 ID:MraeMU1Uo
執務室

勇者「……ってな訳で、しばらくポチは隣国に出張する事になった」

堕女神「…また事後承諾ですか」
以下略



8: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/05/29(火) 01:12:50.71 ID:MraeMU1Uo
勇者「……やべ、ちょっと冷や汗が出てきた」

堕女神「せめて、ご相談下されば」

勇者「後悔してるよ」
以下略



9: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/05/29(火) 01:13:20.83 ID:MraeMU1Uo
地下室

勇者「……そういう事で、明日から頼むぞ、ポチ」

サキュバスB「なるほどぉ〜……」
以下略



10: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/05/29(火) 01:13:52.95 ID:MraeMU1Uo
――――そして、明くる日。
女王をもてなした後に、馬車にローパーを詰め込み、彼女らは帰って行った。
軟体を持つ魔物は馬車にみっちりと押し込まれ、女王を含めた数人の淫魔は、別の馬車へ。

勇者「それじゃ、ポチ。頑張れよ」
以下略



11: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/05/29(火) 01:14:22.84 ID:MraeMU1Uo
隣女王「……いいですか?」

幼淫魔C「…?女王さま?何ですか?」

夜中、宮殿の中を見回っていた「一人目」へ、隣女王が声をかけた。
以下略



12: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/05/29(火) 01:14:55.67 ID:MraeMU1Uo
階段を抜け、底冷えのする地下室を歩み続ける。
反響した足音が重なり合い、二人だけの足音が幾倍にも増えて聞こえた。

あくまで振り返らず表情を見せない女王。
それに反して、表情が少しずつ曇り始めた、幼い淫魔。
以下略



13: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/05/29(火) 01:15:25.19 ID:MraeMU1Uo
重く軋んだ音を立て、鉄製の扉が開かれる。
入り口を除いて照明は落とされており、部屋の奥には完全な闇の一角があった。
否――正しくは、部屋の7割が、暗闇と化していた。
入ってすぐの壁面に蝋燭が3本ほど灯されている他は、何も無い。
飲み込まれるような、誘い込むような、闇。
以下略



14: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/05/29(火) 01:16:00.17 ID:MraeMU1Uo
開け放たれた入り口近くに、女王が立つ。
闇を背にして、幼淫魔Cが、背を気にしながら向かい合うように。
未だ、自らに起こる事も、闇の中にいる者も、理解している訳では無い。
あまりにも、不自然すぎる事だけだ。

以下略



15: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/05/29(火) 01:16:34.60 ID:MraeMU1Uo
闇の中、空気が蠢く。
やたらに粘っこい音が高らかに響き、闇に感じた気配が一気に収束していく。
背を向けていた彼女の背筋に走ったのは、悪寒などという「生ぬるい」ものではない。
本能が、ただ一つの言葉を警鐘を打ち鳴らす如くに繰り返す。
彼女の思考一切すべてがそれだけに傾き、他の思考を叩き出して。
以下略



16: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2012/05/29(火) 01:17:09.00 ID:MraeMU1Uo
完全に閉め切られた空間に、淫魔と、魔物が取り残される。
罠にかかった鳥のように、彼女は何度も逃れようと手足をばたつかせる。
しかし、それは足掻きにもならない。
小さく力の弱い彼女では、からみ付く無数の触手から逃れる事などできない。

以下略



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