6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/08/11(土) 04:15:04.19 ID:T8SVpnRDo
「早く事務所に戻らなきゃ」
プロデューサーは顔を上げて周囲を確認します。
一面緑の野原のなかには、長そうな一本道が続いているだけでした。
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2012/08/11(土) 04:15:31.79 ID:T8SVpnRDo
少し歩くと目の前に森らしきものが現れました。
「事務所の近くにこんな薄暗い森なかった気がするんだけどなぁ」
止まっていても仕方ないのでとりあえずプロデューサーはその近くへと歩いていきます。
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2012/08/11(土) 04:16:10.69 ID:T8SVpnRDo
「つまり、どういうことなのですか?」
「さて、どういうことなのでしょうか。
私がわかっていたのはここが俗世ではないということだけ、です」
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2012/08/11(土) 04:16:51.22 ID:T8SVpnRDo
「ところで」
笑いがひとしきりおさまった後、プロデューサーが言いました。
「はい」
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2012/08/11(土) 04:17:39.46 ID:T8SVpnRDo
女がそう言ったのでプロデューサーは少し鼻を高くして自分の事務所のアイドルに関して話を始めました。
もちろん11人のアイドルのことだけではなくプロデューサーの律子のことや事務員の小鳥のこと、
自分を強引にスカウトしてきた社長のこともひっくるめて、
自身の体験してきたことをできるだけかいつまんで話しました。
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2012/08/11(土) 04:18:12.53 ID:T8SVpnRDo
「ごめんな。
俺以外も記憶がないのかと思ってそれで……」
プロデューサーがそういうと女はようやく口を開きました。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/08/11(土) 04:18:46.72 ID:T8SVpnRDo
「やっぱり俺のことを知っているのか?」
たまらず女に疑問を投げかけます。
「ええ、とてもよく」
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/08/11(土) 04:19:32.07 ID:T8SVpnRDo
「なら、俺はなんで記憶を無くしたんだ?」
「そういう病気だった、としか…」
「そうか。いやな病気だな。道理で死ぬ直前くらいの記憶がないわけだ」
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/08/11(土) 04:20:28.37 ID:T8SVpnRDo
「全く仕方ないですね」
女はそういうと正座の体勢を崩します。
「長くなるのですが、よろしいでしょうか?」
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2012/08/11(土) 04:21:14.78 ID:T8SVpnRDo
「彼女たちが違和感を覚えたのは、貴方が亡くなる3か月前のことでした。
我那覇響と星井美希を連れて車で移動しているときに貴方は突然、
『もし俺の身体が管だらけになったら、それを一気に引っこ抜いて俺を終わりにしてくれ』
と言い出しだのです」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/08/11(土) 04:21:40.88 ID:T8SVpnRDo
「いやさ、俺が俺でなくなるくらいだったら
俺が育てたアイドルに終わりにしてほしいと思ったんだ」
「……それでも酷い言い方だったと思います。」
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