72: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 21:48:13.81 ID:La4hkDje0
トントントン……。
誰かが階段を上がってくる音が聞こえる……。
おっと。いつの間にか眠ってしまっていたようだ。
73: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 21:50:14.41 ID:La4hkDje0
える「ここが折木さんのお部屋ですか……」
千反田は、物珍しそうにキョロキョロしている。
別に、見られて困るような物は置いていないが、あんまり見られると恥ずかしい。
74: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 21:52:45.85 ID:La4hkDje0
千反田のお粥は、たいそう美味いものだった。まさかお粥がこうも美味いとは。
千反田、侮り難し。流石農家の娘。
千反田は、さっきから俺の食べる様を、キラキラした瞳で見つめてくる。
75: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 21:54:57.60 ID:La4hkDje0
奉太郎「ごちそうさま」
える「お粗末様でした。それじゃ、片付けてきますね」
奉太郎「ああ、そのままで構わないぞ?」
76: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 21:56:56.69 ID:La4hkDje0
カチャ……。
ドアが開き、千反田が少し控えめに顔を覗かせた。
える「折木さん、起きてます?」
77: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 21:58:55.58 ID:La4hkDje0
次の瞬間。
額に冷たいものがピトッと触れた。
あ……、気持ちいい……。
78: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:00:54.44 ID:La4hkDje0
千反田が首を傾げる。
える「今の折木さん、何だかずいぶん慌てていたように思います。どうしてですか?」
うっ、来たか。
79: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:02:55.30 ID:La4hkDje0
ズバリ、言い当てられ、俺は顔が紅くなるのを感じた。くそー、千反田のくせに。
奉太郎「知らんっ。もう寝るっ」
俺は頭から布団を被った。千反田のクスクス笑う声が聞こえる。
80: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:04:54.93 ID:La4hkDje0
こ、こいつは……。恥ずかしい台詞を臆面もなく……。俺の方が恥ずかしくなるじゃないか。
奉太郎「いや、やっぱり止めとこう。本当にうつしたくないんだ。
俺が治ったら、その、しようか」
81: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:06:54.16 ID:La4hkDje0
える「それじゃ、お邪魔しました」
奉太郎「ああ、気を付けて帰れよ」
える「折木さんもお大事に。では、失礼します」
82: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/11(火) 22:08:53.36 ID:La4hkDje0
次の日。俺はいつもの道を、いつものように歩いていた。
風邪は完治した。これも千反田のおかげだろうか。
突然、何者かに背中を思いっきり叩かれる。こんなことをするのは……。
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