過去ログ - 異形使い「あなたを追ってここまで来た!」
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179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/18(木) 21:35:07.32 ID:34106HQPo

 部屋の中、ドナートは静かに窓の外を見ていたようだった。
 ティナたちが入室してもしばらくは視線を動かさなかった。

 考え事でもしていたのだろうか。それに水をさすような後ろめたさを感じながら、ティナは咳払いした。
以下略



180:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/18(木) 21:35:39.56 ID:34106HQPo

「この件は、まあこれでひと段落ね」
「そうじゃな」
 人気のない廊下を歩きながらバジルと話す。

以下略



181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/18(木) 21:36:11.45 ID:34106HQPo

「いや、詳しくは聞けなかったんじゃがの。若造の身内についても一応探って、その時に妹がいる、と」
「もしくは、いた?」
「そうじゃ」

以下略



182:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/18(木) 21:36:40.61 ID:34106HQPo

「それでも家族の安全を天秤にかけるなら部隊を頼るはずでしょ」
「儂に言われてもな」
 腕を組んでバジルはうめいた。

以下略



183:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/18(木) 21:37:08.50 ID:34106HQPo

 ドナートがひそかに町を脱出しようとしていたという話はそれなりに納得できる。
 異形使いであることを隠してこの町で長生きするのは不可能だからだ。
「だから逃げ出そうとした?」
「さて」
以下略



184:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/10/18(木) 21:37:35.48 ID:34106HQPo
つづきます


185:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/30(火) 17:11:14.05 ID:s6F6/qjgo

 静かな夜だった。自然に目が覚めるには穏やか過ぎるほどだ。
 だからティナは自然に目が覚めたわけではなかった。揺さぶられて起きた。
「な、なに……?」

以下略



186:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/30(火) 17:11:48.23 ID:s6F6/qjgo

「それより早く準備せい。何やら怪しい」
「怪しい?」
「あの若造が公舎を抜けだしたようじゃ。窓の開閉音がしたから外を覗いたら、あやつが走っていくところじゃったよ」

以下略



187:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/30(火) 17:12:24.85 ID:s6F6/qjgo

「なんでドナートは公舎を?」
 夜の道を走りながら呟く。
「わからん」
 先を走るバジルが首を振る。
以下略



188:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/30(火) 17:13:01.59 ID:s6F6/qjgo

 ドナートは聖教会本部襲撃の容疑で神官兵から暴行を受けていた。
 それを保護したのがティナたちだ。
 一応のこと容疑は晴らせる見通しで、しかしここでは今までと同じようには暮らしていけないとの見通しのため、ティナは異形部隊への入隊を勧めた。
 だからきっかけがあるとすれば。
以下略



189:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/30(火) 17:13:30.53 ID:s6F6/qjgo

 ふと思い出すことがあった。
 密入出。そして、妹。もう死んでいるのかもしれない、というバジルの言葉。

 と、月明かりに照らされた道の上に、立ちつくす若者の背中を見つけた。
以下略



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