過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
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2012/10/16(火) 18:00:14.39 ID:Xp8Q5vyA0
「自殺病の第五段階まで進んでいますね。きわめて難しいと思います」
柔和な表情を崩さずに、彼はなんでもないことのようにサラリと言った。
母親は絶句すると、口元に手を当てて、そして大粒の涙をこぼし始めた。
以下略
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2012/10/16(火) 18:01:01.25 ID:Xp8Q5vyA0
「ぜ……絶望的なんですか!」
母親が悲鳴のような声をあげる。
「はい」
以下略
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2012/10/16(火) 18:01:43.13 ID:Xp8Q5vyA0
「そ、それは……娘が入院だけは嫌だと言い張って……」
「その結果命を落とすことになる自殺病の患者は、
全国で一日に平均十五人と言われています」
以下略
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2012/10/16(火) 18:02:22.43 ID:Xp8Q5vyA0
「それは、どのような意味合いで?」
淡々と返され、母親は勢いをそがれ一瞬静止した。
「意味合い……?」
以下略
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2012/10/16(火) 18:03:08.33 ID:Xp8Q5vyA0
「どういう……ことですか?」
「命のみは保障しましょう。命のみは」
二回、含みを加えて言うと、圭介は微笑んだ。
以下略
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2012/10/16(火) 18:03:59.46 ID:Xp8Q5vyA0
「娘さんの心の中にあるトラウマを、
物理的な介入によって消し去ります。その副作用です」
端的にそう答え、圭介はデスクから束のような書類を取り出した。
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2012/10/16(火) 18:04:57.19 ID:Xp8Q5vyA0
★
「急患だ。即ダイブが必要だ」
車椅子を押しながら、圭介が言う。
以下略
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2012/10/16(火) 18:05:31.03 ID:Xp8Q5vyA0
母親が、真っ赤に目を泣き腫らしながら、立ち尽くしている。
彼女は車椅子の上で3DSを握り締めている小さな女の子を見ると、
怪訝そうに圭介に聞いた。
以下略
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2012/10/16(火) 18:06:12.74 ID:Xp8Q5vyA0
「娘の命がかかっているんですよ!
それを……それをこんな……こんな小娘に!」
汀が肩をすぼめ小さくなる。
以下略
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2012/10/16(火) 18:06:46.13 ID:Xp8Q5vyA0
彼を押しのけ、母親は施術室に入ろうとした。
「私も同席するわ。娘を妙な実験の実験台に……」
「入るな」
以下略
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2012/10/16(火) 18:07:18.60 ID:Xp8Q5vyA0
「刻一刻と、娘さんの命は削られていきます。
今この時にも、自殺を図る可能性が高い。
あなたは、私達の施術を邪魔して、娘さんを殺したいのですか?」
「…………」
以下略
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