過去ログ - 少女「治療完了、目を覚ますよ」−オリジナル小説
1- 20
606:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:54:14.24 ID:vW73a+6T0


ムスッとした表情のまま、汀は目を開けた。

そこは、地下室のような空間だった。
以下略



607:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:54:46.57 ID:vW73a+6T0
「表層心理壁の、煉獄に繋がる通路よ」

そこで、はっきりとした声が、二人の後ろから投げつけられた。

汀の肩の上で、小白がニャーと鳴く。
以下略



608:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:55:24.01 ID:vW73a+6T0
平気で差別用語を口にし、
ソフィーは眉をしかめた理緒に目を向けた。

「何ボサッとしてるの? マインドスイーパーなら、
やらなくてはいけないことがあるんではなくて?」
以下略



609:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:55:58.01 ID:vW73a+6T0
『今回のダイブでは、俺が三人のナビゲートをすることになっている。
だが、このダイブは「競争」だ。ひいきはしないから、そのつもりでな』

圭介がそう言うと、理緒が少し言いよどんだ後、言いにくそうに口を開いた。

以下略



610:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:56:43.24 ID:vW73a+6T0
壁に、手の平大の窪みがある。

正方形だ。

そして、床には薄汚れたルービックキューブが転がっていた。
以下略



611:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:57:31.00 ID:vW73a+6T0
「ドクター高畑。あなたのナビゲートを受けるのは心外だけど、
この際仕方ないわ。一時的に会話をしてあげます」

『それは光栄だ』

以下略



612:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:58:12.29 ID:vW73a+6T0
「それじゃ、お先に」

ソフィーがニッコリと笑って手を振る。

シャコンッ、と音を立てて、鋲がかかっていたはずの扉が開いた。
以下略



613:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:58:50.16 ID:vW73a+6T0
かなり狭くなった部屋を見回し、
ソフィーは余裕の表情で白い空間に体を躍らせた。

次の瞬間、またシャコンッ、という音がして扉が閉まった。

以下略



614:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 19:59:20.28 ID:vW73a+6T0
冷静に言う汀に、ルービックキューブの欠片を拾い集めながら、
理緒が青くなって言った。

「汀ちゃん手伝って! これを早く直さなきゃ……」

以下略



615:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 20:00:02.63 ID:vW73a+6T0
部屋はもう、二人が立っているだけで
やっとといったくらいの四方の狭さになっていた。

汀は、軽く助走をつけると、右足を強く鉄の扉にたたきつけた。

以下略



616:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/10/21(日) 20:00:42.16 ID:vW73a+6T0
「あは……あはははは!」

血のシャワーを浴びながら、汀は嬌声を上げた。

そして、十数回目の蹴りで、扉がひしゃげ、どろりと溶けた。
以下略



953Res/544.12 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice