過去ログ - 見習い魔法使いのいつもと違う一日
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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/07(水) 22:08:44.83 ID:go5bAEUEo
リリーは勘の良い、というか"見えてしまう"女の子である。
といっても別にお化けとかは見えない。そういうのはいないと思う。
けれど、普通の人が気づかないことに気づいたり、知りえないことを知ってしまうことがあるのだ。
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/07(水) 22:09:17.62 ID:go5bAEUEo
そんな人に預けられるのだからまあ、ていよく厄介払いされたと見ることもできる。
ただ、リリーはそのことについてはあまり考えない。
考えてももう仕方ないし、魔法の勉強に忙しいのでそれどころじゃなかったから。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/07(水) 22:09:47.20 ID:go5bAEUEo
書かれているのは薬の調合方法だ。
「"むやみやたらと元気になる薬"!」
元気がない人もこれ一本。飲めばたちまち元気百倍。ただし予想外の方向に元気になっても責任は負いません。
最後の注意書きが気にはなったがとにかく、タビを助けるためにリリーが知恵を絞った結果がこれだった。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/07(水) 22:10:24.85 ID:go5bAEUEo
他の材料は問題ない。その辺や森に入れば大体手に入るし屋敷の蔵にもいろいろある。
ただ、月王草だけはそこらで摘んでくるというわけにはいかない。
不老長寿の力を持つとも言われる、珍しい、貴重な草なのである。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/07(水) 22:10:55.97 ID:go5bAEUEo
森のほとりの屋敷を出てしばらく。
風が肩までの金髪をもてあそぶのに任せて歩いていると、道の先に粗末な柵囲いが見えてきた。
村の境界だ。ここを抜けてもっと歩くと町がある。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/07(水) 22:11:26.13 ID:go5bAEUEo
「あー!」
悲鳴とも怒りともとれる声がして、近くの家の陰から帽子をかぶった少年が姿を現した。
「なにするんだよせっかく仕掛けたのに!」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/07(水) 22:11:58.54 ID:go5bAEUEo
「誰かが引っかかったら、その人困っちゃう」
「そこがいいんだろ」
「誰かが困るのを防いだんだから、わたしは悪魔じゃなくていい人よね?」
「うん? ううん……」
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/07(水) 22:12:35.49 ID:go5bAEUEo
「急いでるの。邪魔するなら呪っちゃうよ?」
自分から近寄ってくる輩は珍しいが、こう言うと全員が怯えて逃げる。
わざわざ好んで魔法使いにたてつく者はいない。ルークを除いて。
「できるもんならやってみろ!」
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/07(水) 22:13:10.60 ID:go5bAEUEo
ルークはこちらの様子を不審に思ったらしい。
「なんで急いでるんだよ。魔女のくせに」
「魔女は関係ないと思うけど……友だちが大変なの」
「友だち? 魔女に?」
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/07(水) 22:13:37.81 ID:go5bAEUEo
「魔女のくせに竜が怖いのか?」
「うーん。っていうか、怒らせると面倒っていうか」
「んん?」
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/11/07(水) 22:14:30.44 ID:go5bAEUEo
「えー……?」
リリーは顔をしかめてルークを見やった。
「だって町に行くんだろ? 楽しそうじゃんか」
その顔はなにやらわくわくと輝いている。
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