過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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600:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 17:44:38.46 ID:RLjbm7yt0
居間に着くといつの間にか帰っていた父親が先に席に座って二人が来るのを待っていた。

父「お、ようやく来たな」

男「お帰り、父さん。仕事の方は一段落したみたいだね」
以下略



601:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 17:45:04.92 ID:RLjbm7yt0
父「むう、たまにはいいじゃないか。なあ、母さん」

母「そうね、お父さんがそんな軽口を叩けないくらい懸命に働いて倒れたならいいかもしれないわね」

父「あれ? それだと僕のんびりできなくない?」
以下略



602:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 17:45:46.06 ID:RLjbm7yt0
妹「お兄ちゃん、お兄ちゃん」コソコソ

男「なんだ?」

妹「何度見ても不思議なんだけど、お母さんのあれって怒ってるわけじゃないんだよね?」
以下略



603:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 17:46:26.29 ID:RLjbm7yt0
――森――

夜が訪れた。男たちの村から少し離れた場所にある森。その中を流れる小川に一つの人影があった。人影はバシャバシャと大きな音を立てながら何度も何度も水を掬い、強く顔に押し付けていた。
その顔には頬を抉る横一文字の深い切り傷が残っている。まだ傷は新しく、傷口が塞がってもなお熱を帯びていた。

以下略



604:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 17:47:22.95 ID:RLjbm7yt0
種族が違うというだけで迫害され、話し合いをする場も与えられず、誇りを汚され理不尽な暴力を浴びせられて命を狙われた。
一緒に逃げ出した家族や友人は途中で捕まり、ある者は目の前で殺され、ある者は絶望から命を絶った。
そして、最後に残ったのは己と数名の同胞たち。人の少ないこの森へと逃げ込み、ひっそりと隠れていた。
彼らの種族の象徴ともいえる長い耳をローブをかぶることで隠していた。人とは違うもう一つの種族、エルフ。

以下略



605:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 17:48:06.22 ID:RLjbm7yt0
傷エルフ「許さない、許さない。人は存在するべきでない。奴らはただいるだけで害悪だ。
 誇りがなんだ! そんな物がなんの役に立った。
 女子供は見逃せ、自分たちから手を出してはならない。必要最低限以外の争いは避けなければならない。
 こんなくだらない、古臭いしきたりのせいで俺の家族は、恋人は、友は死んだ! なぜだ! なぜ彼らは死ななければならなかったのだ!」

以下略



606:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 17:50:47.95 ID:RLjbm7yt0
朝日が窓から射し込む。日の光によって自然と目が覚めた男は、眠気眼を擦りながら掛け布団を引きはがした。大きな欠伸をしながら横を見れば、そこにはまだ静かに寝息を立てて眠っている妹がいた。
妹を起こさないように足音を抑えて部屋の外へ出る。そのまま家の外へと出て全身に光を浴びる。

男「う〜ん。いい天気だ」

以下略



607:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 17:51:48.18 ID:RLjbm7yt0
男「そんなこというなんて、息子に対する信頼が低いんじゃないかな」

母「冗談よ。それよりもせっかく早起きしたんだからお願いごと頼まれてくれない?」

男「どうかしたの?」
以下略



608:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 17:52:57.68 ID:RLjbm7yt0
母「いいけれど、あの子まだ寝ているんじゃないの?」

男「うん。だから起こして連れて行く」

母「あなたって時々とんでもないことをする子よね。どこかで育て方を間違えたのかしら……」
以下略



609:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/05(水) 17:53:51.95 ID:RLjbm7yt0
一向にベッドから抜ける気配がない妹。起こしにきたときよりも深く掛け布団を被り、日の光が自分に当たらないようにしている。誰でも、気持ちのよい朝を無理矢理奪われるのは嫌なものである。
男も当然そうである。だが、わざわざ一日に二度も森に行きたいと思うほど、男の心は広くなかった。

男「そう……それじゃあ僕だけで森に行っちゃうからね。妹は夜に一人で森に行ってエルフがいないかどうか確認してね」

以下略



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