過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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2012/12/05(水) 17:48:06.22 ID:RLjbm7yt0
傷エルフ「許さない、許さない。人は存在するべきでない。奴らはただいるだけで害悪だ。
誇りがなんだ! そんな物がなんの役に立った。
女子供は見逃せ、自分たちから手を出してはならない。必要最低限以外の争いは避けなければならない。
こんなくだらない、古臭いしきたりのせいで俺の家族は、恋人は、友は死んだ! なぜだ! なぜ彼らは死ななければならなかったのだ!」
以下略
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2012/12/05(水) 17:50:47.95 ID:RLjbm7yt0
朝日が窓から射し込む。日の光によって自然と目が覚めた男は、眠気眼を擦りながら掛け布団を引きはがした。大きな欠伸をしながら横を見れば、そこにはまだ静かに寝息を立てて眠っている妹がいた。
妹を起こさないように足音を抑えて部屋の外へ出る。そのまま家の外へと出て全身に光を浴びる。
男「う〜ん。いい天気だ」
以下略
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2012/12/05(水) 17:51:48.18 ID:RLjbm7yt0
男「そんなこというなんて、息子に対する信頼が低いんじゃないかな」
母「冗談よ。それよりもせっかく早起きしたんだからお願いごと頼まれてくれない?」
男「どうかしたの?」
以下略
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2012/12/05(水) 17:52:57.68 ID:RLjbm7yt0
母「いいけれど、あの子まだ寝ているんじゃないの?」
男「うん。だから起こして連れて行く」
母「あなたって時々とんでもないことをする子よね。どこかで育て方を間違えたのかしら……」
以下略
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2012/12/05(水) 17:53:51.95 ID:RLjbm7yt0
一向にベッドから抜ける気配がない妹。起こしにきたときよりも深く掛け布団を被り、日の光が自分に当たらないようにしている。誰でも、気持ちのよい朝を無理矢理奪われるのは嫌なものである。
男も当然そうである。だが、わざわざ一日に二度も森に行きたいと思うほど、男の心は広くなかった。
男「そう……それじゃあ僕だけで森に行っちゃうからね。妹は夜に一人で森に行ってエルフがいないかどうか確認してね」
以下略
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2012/12/05(水) 17:55:15.00 ID:RLjbm7yt0
男「えっ!? え? 結局行かないの……?」
戸惑いの声を上げる男を部屋の外に出し終え、妹は強い口調で告げる。
妹「着替えるの! しばらくそこで待っててよ!」
以下略
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2012/12/05(水) 17:56:06.30 ID:RLjbm7yt0
しばらくして着替え終わった妹が出てきたが、未だ不機嫌なのには変わりなかった。それを見て男は妹に見られないようにこっそりとため息を吐いた。
子供らしい意地の張り合い。どちらとも折れるわけではなく、母に出かけると伝え、二人とも外に出た。
妹の言っていたことが本当なのか確かめるために二人は森へ向けて歩き出す。しかし、横に並ぶのではなく妹は男の一歩後ろを歩く。
意地を張っていてもやっぱり妹のことが気になるのか、男はチラチラと何度も後ろを盗み見てはきちんと妹が付いてきているか確認していた。
必然、前を向く妹と視線が交わる。突然の事に互いに身体が硬直する。しばらくの沈黙の後、男が折れる形で妹に話しかけた。
以下略
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2012/12/05(水) 17:56:34.89 ID:RLjbm7yt0
言われてみれば確かに妹は夜に出歩くのを苦手としていた。だが、まさか拗ねている理由がそんな事だとは思わなかったため、男は拍子抜けしてしまい、ほんの少し呆れてしまった。
男「ま、まさかそんな理由で拗ねてたの……?」
妹「い、いいじゃん! 私結構傷ついたんだから!」
以下略
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2012/12/05(水) 17:57:29.26 ID:RLjbm7yt0
しばらくは顔を背けて男の方を見ようとしなかった妹だったが、やがて少しずつ視線を移し、再び男の瞳と妹の瞳が交わり、
妹「一人でどこかに行けって言わない?」
男「言わない、言わない」
以下略
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2012/12/05(水) 17:58:39.65 ID:RLjbm7yt0
妹のコロコロ変わる気持ちについて不思議に思いながら、機嫌が良くなったからどうでもいいかと男は思い、笑顔を浮かべていると、その横を数名のローブを被った者達が通り過ぎた。
不意に身体のそこから沸き上がる怖気。息をするのも忘れて、男は彼らを見つめた。ローブの隙間からは見る者を萎縮させる血走った目が見える。そして、その目が己を見つめている男の瞳を捕らえると、ほんの僅かに彼らの口元が釣り上がった気がした。
妹「お兄ちゃん、どうかした?」
以下略
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