過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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2012/12/05(水) 18:37:55.17 ID:RLjbm7yt0
声をかけられた女隊長はその場に留まり振り返る。
女隊長「なんでしょう?」
上官「君の隊にいるあの少年だが、一体いつまで傍に置いておくつもりだね。はっきり言わせてもらうが彼はどちらかといえばこの場には不要な人間だ。負傷兵の治療や食料の配給など手伝いをしてくれている点は認める。
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2012/12/05(水) 18:38:23.31 ID:RLjbm7yt0
上官「……そう、か。わかった、彼に関してはもう何も言わないでおこう」
女隊長「ありがとうございます」
普段の頼りなく、明るい女隊長はそこになく、ただただ冷静で大人な女兵士がいた。普段の彼女とはまるで正反対な、女隊長。そう、ここは戦場。一歩そこに立てば必然的に人も変わる。コインの表と裏が切り替わるように。
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2012/12/05(水) 18:39:00.33 ID:RLjbm7yt0
女隊長が上官の元へと報告へ向かっている間、分隊の一同は円を組み、ある出来事をジッと見守っていた。
空き場の地面に埋められた三つの立て板。その先端部に丸い円を書いた的を少し離れた位置から一人の少年が見つめていた。
高鳴る鼓動を意識しないようにし、深く息を吸い込んで呼吸を落ち着ける。緊張はかなりしていたが、それでもこれまでの努力を見せる時だと己を奮い立たせる。
女魔法士「大丈夫? 無理ならまた今度でいいんだよ?」
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2012/12/05(水) 18:39:41.66 ID:RLjbm7yt0
男「いくよっ!」
口にすると同時に男は指先で紋様を描き出す。それは魔法を発動させる際に必要な動作だ。優れた魔法使いになれば魔法紋を描かずとも魔法を発動させる事ができるようになるが、余程強くイメージを保たない限り、魔法は発動しない。
紋様を描くのはその魔法のイメージを強めると同時に、確実に魔法を発動させるための補助的要素があるのだ。
指先から宙に描き出される光の紋様。ミスは許されない。身体を巡る魔力を意識し、それを指先へと流して行く。
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2012/12/05(水) 18:40:25.60 ID:RLjbm7yt0
この状況を見守っている者の中から思わず声が上がる。だが、まだ終わりではない。
男「あとは、これを的にぶつける……」
意識を集中し、三つの的に向かって男は火の玉を投げつけた。
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2012/12/05(水) 18:40:51.27 ID:RLjbm7yt0
女槍士「あ〜っ! 惜しい!」
一連の結果を見届け、誰もが口を閉ざしている中、第一声をあげた女槍士。そして、彼女の言葉を皮切りに、他の隊員達が口火を切り始める。
男剣士「あとちょっとだったな〜。でも、この年で火球を三つも出せる時点ですげえと思うぞ」
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2012/12/05(水) 18:41:23.07 ID:RLjbm7yt0
女魔法士「一応、的には当たっていますし……合格でいいんじゃないですか?」
女槍士「私もそう思うけどさ、でもちゃんとは当たってないんだよね。ここで甘やかしたら駄目なんじゃない? 一応大事な試験だし」
女剣士「う〜ん、別に合格でいいと思うけどね〜。実際これだけの腕があったら普通に戦えると思うし」
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2012/12/05(水) 18:42:00.11 ID:RLjbm7yt0
女槍士「一応もう一度だけ聞いておくけれど本当にいいの?」
男「いいさ、いいに決まってる! 僕はこのためにずっとみんなと一緒に居続けたんだ。確かに、最初はエルフに復讐する事ばかり考えて戦場にでていたよ。
でも、実際に戦場に出て自分に力がないのがわかって、エルフ達がどれほど恐ろしい存在かもわかった。それからみんなの力も。
今の僕じゃやれる事も限られているけどそれでもみんなの力になりたいんだ。僕に魔法を教えてくれて、エルフを倒す力をくれた。危険な戦場での生き方や対処法を教えてくれて、僕を守ってくれたみんなの力に。
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2012/12/05(水) 18:42:46.66 ID:RLjbm7yt0
気がつけばいつの間にか隊員達の背後に女隊長が立っていた。苦い表情を浮かべ、仲間達の意見を聞いている女隊長。最後の決断を任せられた彼女は困ったように男を見ていた。そして男また彼女に自分を認めてもらおうと説得の言葉を口にする。
男「お願い、女隊長。僕を戦いに参加させて! 絶対に、役に立ってみせるから!」
強い眼差しで己を見つめて来る男に女隊長は困ってしまう。こういった目をした人を自分が止める事はできないとわかっているからだ。
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2012/12/05(水) 18:43:37.82 ID:RLjbm7yt0
男剣士「いよっしゃああああああああ! やったな、男! これでお前は正式に俺たちの仲間だぜ!」
男弓使い「こら、そんな言い方だと今までが正式な仲間じゃなかったみたいだろうが。でも、まあおめでとう男。これから頼りにしてるよ」
男槌士「よかったのう、男。でも、これで満足してはいかんぞ。これからも鍛錬を続けてより強くなれるようにするんじゃぞ」
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2012/12/05(水) 18:44:17.61 ID:RLjbm7yt0
男剣士「おいおい。男たるものこの程度で泣いてるんじゃねーよ。女々しいと思われるぞ」
男弓使い「とかなんとか言って、自分だって目尻に涙浮かべて必死に泣くのを我慢してるくせに」
男剣士「ばっ! ちげえよ、これはだな……そう! 汗だよ、汗。緊張して見てたから汗かいたんだよ」
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