過去ログ - 「俺は愛を餌に生きてィる」
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17: ◆QkRJTXcpFI[sage saga]
2012/11/30(金) 12:08:47.82 ID:nlsr789Z0
「どれだけだ! どれだけ君は怯えてィれば気が済むんだ!
 好きな子と偶然ばったり出会ったのだろう!? 喜べよ! 両手を挙げて喜べよ!」

「ここは〈ど、どうしよう、なに話したらィィんだろう〉って困惑する場面なのだよ!
 それでも男の子か君はあああああああああ!」
以下略



18: ◆QkRJTXcpFI[sage saga]
2012/11/30(金) 12:09:17.78 ID:nlsr789Z0
少年「はあ……はあ……――あ……」

女「」ポロポロ ポロポロ

常に騒がしい街が一時だけ静まり返り、少年へ注目が集中した。
以下略



19: ◆QkRJTXcpFI[sage saga]
2012/11/30(金) 12:09:53.07 ID:nlsr789Z0

「どうなってんだ?」

"蜃気楼"は目を疑った。

以下略



20: ◆QkRJTXcpFI[sage saga]
2012/11/30(金) 12:10:35.34 ID:nlsr789Z0
「とにかく、俺の激情が少年に作用したとしか考えられなィ。
 それにしても……怒りとはこれほどまでに疲れるものだったか?」

感情の起伏が乏しいのではなく、理性で事象を処理する存在。
そしてずっとそうであった"蜃気楼"は、感情に身を任せたことがない。
以下略



21: ◆QkRJTXcpFI[sage saga]
2012/11/30(金) 12:11:03.87 ID:nlsr789Z0
例えばこんな話がある。
世界の文化がまだ発達していなかった時代に、象を売ろうと考えた商売人がいた。

商売人は歩き続けて象を宣伝したが、誰もが象を買っても使い道がないと断った。
ならば異国の象を知らない者に売ればいいと考え、商売人は遠い辺境の国に訪れた。
以下略



22: ◆QkRJTXcpFI[sage saga]
2012/11/30(金) 12:11:36.51 ID:nlsr789Z0

「はっはっはー! 踏んだり蹴ったりな散歩だと思ったが、良ィ方へ転がったぞ!
 ……けれどこれは……ちと不味ィか?」

吹き荒れた風も夥しい雷雨も止む気配はない。
以下略



23: ◆QkRJTXcpFI[sage saga]
2012/11/30(金) 12:12:02.63 ID:nlsr789Z0
「好きなのだろう? 想ってィるのだろう? ならば――」

少年「うるさい! お前のせいだ! お前のせいでこうなったんだ!
   ずっと平和だったのに! ずっとなにもなかったのに!
   お前の言うことなんか二度と聞くもんか!」
以下略



24: ◆QkRJTXcpFI[sage saga]
2012/11/30(金) 12:12:44.40 ID:nlsr789Z0
「なんだかんだで三ヶ月……俺は初めて人と三ヶ月も過ごした。
 少しは……ほんの少しは……君と解り合えたと期待してィた」

輪郭のないぼやけた美の頬に一筋の涙が伝う。
そうか、これが涙というものかと、人型ならではの感情の発露に深く沈み込んだ。
以下略



25: ◆QkRJTXcpFI[sage saga]
2012/11/30(金) 12:13:34.75 ID:nlsr789Z0
少年「……」

胸に激しい渦巻きを得てから二週間が経過した。
少年はいままでに増してぼうっと過ごすことが多くなった。

以下略



26: ◆QkRJTXcpFI[sage saga]
2012/11/30(金) 12:14:00.93 ID:nlsr789Z0
少年「……」

いままでと同様掃除を引き受ける。少年はそのつもりだった。
しかし、なぜだろう。足が小刻みに揺れていて、受諾することが容易じゃない。

以下略



27: ◆QkRJTXcpFI[sage saga]
2012/11/30(金) 12:14:41.03 ID:nlsr789Z0
少年「うるさ……よおま……」

男子「ああ?」

少年「うるさィんだよお前はッ!」
以下略



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