269:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 22:28:29.71 ID:Is8mwlDMo
自宅に辿り着いたときにはもう外は暗くなっていた。自宅に全く明かりが見えないこと
に気がつくと、僕は少しほっとしたような気分だった。両親が不在なことは別に意外でも
何でもないけど、二階の明日香の部屋にさえ明かりが見えないところを見ると明日香も不
在らしい。
270:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 22:29:35.95 ID:Is8mwlDMo
シャワーを浴びて戻るとテーブルの上に明日香が用意しておいてくれた料理がラップに
包まれて置いてあることに気がついた。
奈緒と僕が兄妹じゃなかったことに明日香は悩んでいた。明日香が僕に会うのを避けて
271:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/21(金) 22:30:07.31 ID:Is8mwlDMo
切ってすぐにまた電話が鳴った。ディスプレイに『玲子叔母さん自宅』という文字が表
示される。僕は携帯の電源を落とした。
リビングのソファに腰かけて僕は静まった携帯をテーブルの上に投げ出した。こんな態
272:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/21(金) 22:31:56.89 ID:Is8mwlDMo
今日は以上です
あと少しこちらを投下したら女神に戻ります。そろそろあっちも更新しないとスレがやばいんで
273:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/22(土) 08:39:40.36 ID:GOYOYumPo
有希うぜぇぇええ
274:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/22(土) 16:43:05.33 ID:wxNs4oAro
需要あるんだよなあ
乙
275:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/27(木) 23:47:35.89 ID:dvLTtGrdo
そうだ。思い出した。
今までそこは初めて降りた駅だったと思っていた。初めて奈緒を迎えに行った住宅地の
中のピアノ教室。そしてあの時感じた懐かしい違和感。初めてのはずなのに方向音痴の僕
276:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/27(木) 23:48:28.97 ID:dvLTtGrdo
はっきりと全てが明瞭に記憶の中に蘇ったわけではない。それでも何で今まで忘れてい
たのか不思議なくらい胸が痛くなるような思い出だった。
それからしばらくの間、土曜日になるたびに僕は父さんと新しい母さんには黙って電車
277:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/27(木) 23:49:00.04 ID:dvLTtGrdo
明日香はメモを残していった。おばさんのところに泊まるということと夕食が用意して
あるという内容のメッセージを。彼女が僕に言いたいことがあるのならそこに記せばいい
だけのことなのに、古い携帯電話を残していったい僕に何を言いたかったのか。あるいは
ただ戯れに家のどこかで見つけた古い携帯電話を置き忘れただけなのか。
278:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/27(木) 23:49:32.13 ID:dvLTtGrdo
気がついたとき僕は何も考えずに記されていた番号の上で反転していたリンクを押した。
数コールのあと、電話の向こうで女性の声がした。
『はい』
279:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/27(木) 23:50:04.05 ID:dvLTtGrdo
お姉ちゃんは都内と言ったけど教わった場所は都内というよりはほとんど隣県との境に
近い場所だった。この辺りに来たのは初めてだ。初めて訪れた臨海部の駅に降り立つと、
海の景色はまるでないのに潮の香りがした。お姉ちゃんに教わったとおり駅の構内から姿
を見せない海の方に向って歩いて行くと、駅から十分も歩くまでもなくそのマンションに
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