160:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:20:59.90 ID:L62z0KCK0
今日までの事、全部に意味がなかったなんてことにならないように、ちゃんと言葉にして紡ぎたい。
京子ちゃんの胸から顔を離して、少しだけ緊張した息を整える。
すごくドキドキしているのがわかる。だって初めてだから仕方ないって思えた。
京子「あ、あかり……」
161:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:21:58.55 ID:L62z0KCK0
あかり「私、赤座あかりは、京子ちゃんの事、ずっと前から好きでした。今はもっと大好きです。私と一緒に、これからもいてください」
そう言ったところ、京子ちゃんに思いっきり抱きしめられて、すぐに顔がまた熱くなるのを感じる。抱きしめてくれる京子ちゃんの顔を見ると頬に涙があった。
京子「あかり、ごめんね。今までごめんね」
162:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:23:00.73 ID:L62z0KCK0
京子「って、これじゃ、またあかりに慰めてもらってる形じゃん。よぉし、あかり、なにか私に頼みごとがあったらいっていいぞ」
そこで気づいたように、そんなことを言い始める京子ちゃんを見て、なんだか久しぶりにそんな姿の京子ちゃんを見れた気がして、嬉しくなった。
でも、何か頼んでもいいと言われたので、あかりはちょっとだけ恥ずかしいけど、頼んでみることにしました。
163:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:24:18.06 ID:L62z0KCK0
―ちなつ―
ちなつ「結衣先輩、何叫んでるんですか、ばれちゃったじゃないですか」
先ほどあかりちゃんの頼みごとのある単語を聞いた結衣先輩が、叫んでしまった事が一番の問題であった。折角、あかりちゃんのいる場所を突き止めて、そこを京子先輩に探してもらうように誘導したっていうのに、これでは台無しです。
164:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:25:33.24 ID:L62z0KCK0
ちなつ「あのですね、ドラマみたいに物事を運ぶには、それなりの苦労ってものが必要なんです」
京子「へっ、えええ!?」
京子先輩はまだ狼狽しているみたいだけど、それよりも気になったあかりちゃんの方に顔を向ける。
目が合うと同時に、あかりちゃんはなんだか少しだけ気まずそうにしていた。ああ、もう少し時間が経ってからの方が良かったのかなって思ったけど、ここで何も言わないで終わらせるのは難しいんだなって思う。
165:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:26:40.29 ID:L62z0KCK0
でも、ちゃんとこうなったから今は良しって感じかな。まぁ、この後の事は二人の問題なので、何も言うことは無いわけです。
あかり「ビ、ビンタって」
ちなつ「ん、それともしてほしい?」
あかり「え、遠慮しとくよ」
166:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:27:33.73 ID:L62z0KCK0
結衣「あかり、私とした約束、守らなくていいぞ」
あかり「結衣ちゃん……」
結衣「あれはちょっと女々しすぎたって反省してる。だから約束は無かったってことでお願い」
約束、その約束は知らないけれど、多分もう結衣先輩の中で区切りが本当に付いちゃったんだってわかった。
167:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:28:08.63 ID:L62z0KCK0
良く見ると、あかりちゃんはなんだか恥ずかしそうで、京子先輩もどこかぎこちなく動いてる。
あかり「え、えっと結衣ちゃん、ちなつちゃん……」
ちなつ「その話は後日ってことで、今日は帰ってちゃんと休んだ方がいいよ。風邪引いちゃうよ」
あかり「うん、ありがと」
168:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:29:03.92 ID:L62z0KCK0
―結衣―
二人が公園から立ち去って、私はちなつちゃんを自宅に招いていた。理由としては、一日で色々と動かし過ぎたちなつちゃんに言う事とがあったからだ。
結衣「いくらなんでもデートの次の日に、ここまで動かすことは無かったんじゃないかな」
169:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:30:14.58 ID:L62z0KCK0
炬燵の中、どこか彷徨っているちなつちゃんの手を優しく握る。触れてみてわかったけど、その手は震えていた。なんで、震えているのかって考えたけど、ちなつちゃんが何を我慢してたのか、少しだけ察しがついて。
結衣「ちなつちゃん、頑張ってくれてありがとう」
ちなつ「……卑怯です」
170:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:32:34.10 ID:L62z0KCK0
今さっきまで二人の前に立ってたちなつちゃんとは思えないくらいに、その体は震えてた。ああ、こんな小さい体でごらく部の問題に立ち向かってたんだって思った。私も、ちなつちゃんの枷になっていたことくらい理解できる。
ちなつ「みんなから、嫌われちゃうんじゃないかって。うまくいかなかったらって、うまくいっても私だけ仲間外れにされちゃうんじゃないかって。考えると、そんなことばっかりが頭に溢れちゃって、逃げ出したかった」
結衣「うん」
187Res/217.96 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。