過去ログ - 京太郎「もつものと、もたざるもの」
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950: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/04/11(木) 00:32:19.88 ID:4Hfa2lmyo
清算後、待っていた客を案内して京太郎はふたたび立ち番に戻った。
他のメンバーの横に並びテレビに視線をやった。
見知った顔が残り少ないツモに手をかけている。
京太郎はその姿を見ながら先ほどの局を思い出していた。
951: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/04/11(木) 00:33:49.33 ID:4Hfa2lmyo
決定的な訣別をしたあの日からもうかなりの時間が過ぎている。
結局京太郎は最初の決意が揺るがないまま、麻雀部を退部した。
退部届をまこに渡した時、潤んだ眼を必死にこらえながら気丈に頑張ったことを褒めてくれた
京太郎は今でもその時のことを鮮明に思い出せた。
952: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/04/11(木) 00:35:13.02 ID:4Hfa2lmyo
「そういや、今日だったか? 新オーナーが来るの」
「そう言えばそうでしたね。どんな人なのやら」
チーフがカレンダーを見ながらそう言った。
953: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/04/11(木) 00:35:42.37 ID:4Hfa2lmyo
そして、そのタイミングでドアベルがチリンとなった。
「いらっしゃいませ!」
チーフが元気よく声を出す。
954: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/04/11(木) 00:36:36.56 ID:4Hfa2lmyo
955: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/04/11(木) 00:37:52.27 ID:4Hfa2lmyo
「まさか、まさか買い取った店のメンバーに京太郎がいるとはのう」
「どんな天文学的確率だって話ですね」
京太郎とまこは現在雀荘を出てほど近い喫茶店で話をしている。
956: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/04/11(木) 00:38:52.87 ID:4Hfa2lmyo
「そう、か」
「まぁ、貧乏でピーピーしていますがね。そこそこ楽しくやっていますよ」
京太郎はそう言って笑った。
957: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/04/11(木) 00:40:39.02 ID:4Hfa2lmyo
そんな沈黙の中、先ほどまで昼のドラマを映していた喫茶店内のテレビのチャンネルが他の客によって変えられ昼のニュース番組に変えられた。
そこでは和が三冠を達成したことが取り上げられていた。
「和、凄いですね」
958: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/04/11(木) 00:41:27.88 ID:4Hfa2lmyo
「すまんな。言いづらいことを聞いてしまって」
まこは京太郎の言葉をひとしきり聞いた後軽く頭を下げた。
「いや、いいんです。俺自身誰かに話して気持ちの整理がつきました」
959: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/04/11(木) 00:42:28.98 ID:4Hfa2lmyo
京太郎はまこのその言葉に動揺していた。
余りにも突然な提案であった。
プロなど別の世界の話だとほんの数時間前まで思っていた。
だが、それに向けてもう一度戦わないかと今は誘われている。
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