981:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 12:42:27.01 ID:nQ4y3AGI0
ああ、そうだ、私のまわりには、こんなにも優しい仲間がいるんだ。確かに淳子に、私達よりも彼の方を選ばれてしまったことは残念だけど、私はそれでも淳子のことが大好きだ。直美だって、いつも私と仲良く優しく接してくれた…。そうだ、悲しむことなんて何もない。私はもう大切な物は手に入れているのだ。
「ねえ。直美が帰ってきたら今度は忍を探しに行かない?」
智里が新城忍(女子9番)の名前を出した。今のところ、このグループのメンバーの中で彼女だけは唯一、出発以降の消息が全く不明のままなのだ。
「見つかるかな…?」
絵梨果はちょっと不安だった。移動する途中、だれかと遭遇する可能性が高いからだ。他の生徒との遭遇は戦闘になる恐れもあり、あまりにも危険だ。
「大丈夫よ。美咲のレーダーもあることだし」
確かにそうかもしれない。レーダーさえあれば、どこで生徒と遭遇するのかが事前に分かる。先にこちらが相手の存在に気が付けば、ある程度近づいて相手が誰なのかを確認しても、戦闘を避けることが出来る可能性は高い。100パーセント大丈夫とはいえないが、無いよりは、かなり安心できるだろう。
美咲も智里の意見に反応してレーダーに目を向けた。すると同時に驚きの表情に変わった。
態度のおかしい美咲に気が付いた絵梨果は、急いで美咲のレーダーを覗き込んで驚いた。先ほどまで画面に4つしかなかった点が5つに増えているのだ。
画面の端にある点がおそらく直美で、画面真ん中に集まっている3つの点が絵梨果と智里と美咲なのであろう。
じゃあ、私達のすぐ側にあるもう一つの点は…?
絵梨果は画面が表示しているもう一つの点の方向を振り向いた。同時にその方向から何か缶のような物が飛んできた。そしてその缶のような物は3人のちょうど真ん中で地面に当たった。
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