過去ログ - P「始原のiDOL」
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:20:40.36 ID:y8XKonFyo
 だから、なにが起こるか、彼女は見逃さぬようにしていたのだ。

 真は地面に倒れている。

 上半身の衣服はぼろぼろに破られていて、ブラジャーもはずれかけているように見える。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:21:14.80 ID:y8XKonFyo
「いや、違うよ? ボクはただ蘇るだけ。身につけていたものまで戻るのは便利だけどね。でも、小鳥さんみたいに『死なない』のとはちょっと違うかな」
「あの人は、不死?」
「うん。不老不死。もう五〇〇年くらい生きてるんじゃなかったかな。あれ、八〇〇年だっけ? まあ、そんなとこ」

 小首を傾げてそんなことを言う真に、響はひゅっと小さな息を吐く。
以下略



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:22:43.89 ID:y8XKonFyo
 我那覇響の『縄張り』は765に所属することで、劇的に広がった。
 それまでは美希の忠告に従って、東京での活動範囲を一定の地域に限っていたのだ。

 だが、765の一員となれば、東京全域で本来の姿を現して差し支えないのだという。

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23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:23:37.01 ID:y8XKonFyo
 効力はそれを作り出す術者次第で様々。
 なんとなく近づきたくなくなるという程度のものから、認識をゆがめ、場所そのものを人の意識から奪い去ってしまう強力なものまで。

 いま、響が感じているのは、その中間くらいだろうか。

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24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:25:21.01 ID:y8XKonFyo
 のんびりとした調子で話しかけ、響は雪歩の立つ場所に近づこうとする。
 その途端、周囲の影たちが、地をこするような、しかし、俊敏な動作で雪歩を囲むように移動した。

 まるで、雪歩を響から守ろうとするかのように。

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25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:26:58.23 ID:y8XKonFyo
「それくらいかな。なんだか外国の人たちらしいけど……。あ、私たちは後始末にきただけなんだ」
「そうなんだ」
「うん。うちはこの子たちがいるから、何かと呼ばれるの。うちとしても助かるし……」

 二人がそんな会話を交わしている間も、周囲の咀嚼音は続いている。
以下略



26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:27:45.16 ID:y8XKonFyo
「地底も大変なんだなあ」
「私の世代はもうあんまり関係ないけどね」
「ああ、そっか」

 二人はそこで朗らかに笑い合う。
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27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:28:32.47 ID:y8XKonFyo
 765プロの入るビルの屋上。

 響は手すりに手を置いて、中天にかかる月を見上げていた。

 片手を伸ばし、つま先立ちになって、空にかかる月に指を伸ばす。
以下略



28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:29:32.75 ID:y8XKonFyo
 銀の髪がまるで意志をもっているかのようにうねくる。
 その表面が硬質の、まるで金属であるかのような光沢を帯び始めていた。

「納得してないわけじゃないんだけどなあ」
「では、なにを?」
以下略



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:30:25.44 ID:y8XKonFyo
 空振りとなった響の手刀が、銀の軌跡を描き出した。

 それは、白銀の毛皮をまとったその腕のため。
 長く鋭い爪を備えたそれを、響は見せびらかすかのように振った。

以下略



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