過去ログ - 美希・雪歩「レディー!」
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65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:01:25.14 ID:sFFUNv8Z0
「まだ練習していくのか?」
 響の問いかけに、雪歩はいつも通り笑顔で応えた。
「あまり無理しない方が良いよ」
「うん。ありがとう、真ちゃん」

以下略



66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:03:38.50 ID:sFFUNv8Z0
 その甲斐もあってか、最近はレッスンのコーチや、自身を担当するプロデューサーに褒められることが多くなった。

「真達から聞いたぞ。まだ居残り練習を続けてるんだってな」
 マンツーマンでのレッスン後、プロデューサーから唐突に指摘され、雪歩は顔が赤くなった。
 本当は、それ以外にもトレーニングはしているのだが、恥ずかしくて言えない。
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67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:05:30.73 ID:sFFUNv8Z0
「自分から四面楚歌になるような状況を作って、何がしたいんだか――」
 プロデューサーは、ハァと大きくため息をついた。

「み、美希ちゃんは大丈夫です。私なんかと違って、すごいですから――」
 雪歩は、震える声でプロデューサーに言った。
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68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:08:20.44 ID:sFFUNv8Z0
 美希がエントリーしたオーディションの当日がやってきた。
 前評判通り、ジュピターもエントリーしている。

 会場となるテレビ局はお台場にある。
 環八通りから羽田出入口で首都高に乗り、昭和島ジャンクションで湾岸線に乗り換える。
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69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:09:19.60 ID:sFFUNv8Z0
 そろそろ3分前になろうかという時、律子の携帯が鳴った。
 携帯を握り締めていた律子は、驚いた拍子に通話ボタンを押していた。

「もしもし、律子? ――さん」 
「もしもし? あんた今どこにいるのよ!」
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70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:11:32.39 ID:sFFUNv8Z0
「全員、集まりましたか? では、今日の参加者の確認を行います」
 審査員が、参加者の名前を読み上げる。
 ジュピターの名前が呼ばれると、会場に「おぉ〜」という歓声が沸いた。

「まだ始まってもいないのに――」
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71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:13:51.48 ID:sFFUNv8Z0
 オーディションが始まり、各アイドルが銘々に磨き上げた実力を披露する。
 今日の流行はダンスであり、特にダンスアピールに重きを置くアイドル達が多いようだった。

 あまりのレベルの高さに圧倒されたが、やがて雪歩は、いつの間にか美希の体が震えているに気づいた。
 さらに、今まで見たことも無いほど真っ青な顔をしている。
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72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:16:21.17 ID:sFFUNv8Z0
「呼ばれなかった方はお帰り頂いて結構です。お疲れ様でした」
 審査員はジュピターのエントリー番号を告げると、最後にそう付け加えた。

 合格者発表よりも前に、美希は歌い終わった後、逃げるように会場から既に去っていた。
 後を追おうとする雪歩を、律子が制した。
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73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:19:23.35 ID:sFFUNv8Z0
「う、嘘だよね?」
 雪歩は思わず少し大きな声で聞き返した。
「ううん、本当だよ?」
 美希は平然と返した。

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74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/23(土) 23:22:12.10 ID:sFFUNv8Z0
「わ、私も律子さんも、わがまま言ってるかもだよね、ごめんね。
 でも、今までは楽しかったから、美希ちゃんもアイドル続けてきたんじゃ――」
「もう楽しくないから辞めるの。何か文句あるの?」
 美希は雪歩と目を合わそうともせず、携帯を取り出して何やらカチカチと弄っている。

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